年金の裁定及び支給手続きの基礎

 社会保険労務士試験の受験勉強で一応勉強はしているところですが、実務経験がないとついつい忘れてしまうところの一つに年金の裁定請求及び支給手続きの実務があります。その基礎の基礎をまとめておきたいと思います。


1.年金の裁定とは

 年金受給の権利(潜在的受給権)は、要件が整ったとき事実上発生します。しかし、実際に年金を受け取るためには、要件を全て満たしていることの確認を受けることが必要で、この手続きのことを「裁定」と呼んでいます。保険者は、裁定の請求があったときは、要件を確認して権利があることを証する年金証書及び裁定通知書を請求者に送付します。

 裁定請求書の提出先は、加入していた被保険者期間が国民年金の第1号被保険者期間のみの場合、住所地の市町村に、それ以外の場合には住所地の年金事務所になります。最後の被保険者期間が厚生年金保険の場合、又は在職中の場合は、事業所を管轄する年金事務所になります。ただし、管轄年金事務所が遠方であるときなどは、近くの年金事務所又は年金相談センターでも受け付けてもらえます。つまり、最寄の年金事務所で手続を済ませることができるということです。


2.受給権の発生及び年金の支給

 年金の受給権は、あくまでも受給のための要件が整った日に発生します。老齢厚生年金及び老齢基礎年金は、65歳に到達した日(65歳誕生日の前日)又は65歳以後に受給資格期間を満たしたときはその日であり、繰上げ請求をしたとき又は繰下げ請求を申し出たときは、請求書等の受付日です。特別支給の老齢厚生年金は、60歳に到達した日又は60歳以後受給資格期間を満たしたときはその日です。

 障害厚生年金及び障害基礎年金は、障害認定日、事後重症請求のときは請求日、20歳前障害については20歳到達日です。なお、障害手当金は、初診の時から5年以内に治癒した日です。また、遺族厚生年金、遺族基礎年金、寡婦年金、及び死亡一時金は死亡日に受給権が発生します。

 年金の支給は、受給権が発生した日の翌月から始まります。そして、受給権が消滅した日の属する月まで支給が行われます。また、支給停止事由があるときには、その事由が生じた日の属する月の翌月から支給停止が始まり、支給事由がなくなった日の属する月まで年金の支給が停止されます。

 年金の支払いは、偶数月の15日にそれぞれの月の前2箇月分を支給します。つまり2月、4月、6月、8月、10月、12月のそれぞれ15日であり、例えば12月15日の場合、10月及び11月分を支払うことになります。

 また、初めて年金を受け取るときには、例えば12月7日が65歳の誕生日の方の場合、12月6日から裁定請求書等の受付が行われます。添付書類として必要な住民票などは、12月6日以降に取得したものが必要です。裁定請求書等の受付が行われて1から2箇月すると年金証書が手許に届きますが、この後50日ほどで年金支給が始まります。

3.年金額の端数処理

 年金額計算の過程で端数が生じたときには、まず、50銭未満の端数はこれを切り捨て、50銭以上1円未満の端数が生じたときにはこれを1円に切り上げます(国年法施行令、厚生年金保険法施行令)。

 最終的に計算された金額を年金額にするときには、50円未満はこれを切り捨て、50円以上100円未満はこれを100円に切り上げます(国年法17条1項、厚生年金保険法35条1項)。

 各支払い月に支給される額は、支給年金額の6分の1です。このとき、支払額に1円未満の端数が生じた場合にはこれを切り捨てています(国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律2条1項)。

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