年金の被保険者でいられる年齢

現在の我が国における社会保険制度は、日本国内に居住する20歳以上60歳未満の全ての者が国民年金制度の強制被保険者となる仕組みをとっています。その1階部分の上に、厚生年金保険制度及び共済組合制度などの被用者年金制度が2階部分として乗っているという形になっています。被用者年金制度に加入している者は自動的に国民年金の第2号被保険者となり、その者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者は、第3号被保険者になります。

ところで、我が国の公的年金制度では老齢を要件とする年金受給権を取得するために、原則として25年間1階部分において保険料を納める必要があります(法定免除及び申請免除を受けた場合を除きます)。しかし、この25年に満たない保険料納付又は免除期間しか持たない場合など何らかの事情で60歳を過ぎても被保険者であり続けたい場合、一体何歳まで被保険者であり続けることができるのでしょうか。


1.任意加入被保険者

20歳から60歳までの40年間、1階部分の基礎年金についてきっちり保険料を納めたときの老齢基礎年金の満額は、792100円(平成22年度)です。途中未納期間のある方の場合、満額には達しないため、少しでも年金額を増やすために60歳以上65歳未満の期間、年金事務所に申し出て国民年金の被保険者になることができます。この制度は、受け取る年金額を増やすことが目的ですから、付加年金の制度を利用することも可能です。

任意加入被保険者の制度は、この他20歳以上65歳の日本国籍を有する方が海外に居住されることによって、強制加入の枠から外れた場合などにも適用されます。


2.特例任意加入被保険者

昭和40年(1965年)4月1日以前生まれの方で、任意加入被保険者の制度などを利用して、65歳到達まで保険料を納付しても、まだ老齢を支給事由とする年金の受給資格の要件を満たすことができない方のために、特例として65歳以上70歳未満で国民年金の被保険者になることができるとした制度です。任意加入被保険者制度とは異なり、受給資格要件を満たすための道を開いているというのが制度の趣旨ですので、既に受給資格を満たしている方は被保険者にはなれません。また、この期間に付加保険料を納めることもできません。


3.厚生年金保険の被保険者

厚生年金保険制度などの被用者保険に加入している方の場合、つまり、60歳を超えても会社などを退職しないで働き続けている方の場合、70歳までは当然に厚生年金保険の被保険者(当然被保険者)ということになります。そこで、65歳で基礎年金の受給権者となるまでは、または、65歳で基礎年金の受給資格を満たしていない方の場合満たすまでは、国民年金の第2号被保険者ということになります。

厚生年金保険では、原則として70歳到達で被保険者資格を喪失しますが、70歳以後も老齢又は退職を支給事由とする年金の受給資格を満たしていない方については、受給資格期間を満たすまで任意加入することができます。この制度を高齢任意加入被保険者制度といいます。この場合、保険料の納付は原則として全額被保険者負担となります。

(ここで、問題のための問題のような疑問ですが、この高齢任意加入被保険者に扶養される60歳未満の配偶者がいた場合、この方は第3号被保険者になるのかということですが、多分なるのだろうと思われます。)

なお、厚生年金保険の被保険者資格が65歳未満から70歳未満に延長されたのは、平成14年(2002年)4月のことであり、これ以前に65歳に到達し、その後も働き続けた方の場合、連続して働き続けているのにもかかわらず、65歳以降の厚生年金保険の被保険者期間記録に断絶が生じています。また、この延長に伴って新たに導入された60歳代後半の在職老齢年金制度は、平成19年4月以降の70歳到達者から、70歳以降の厚生年金被保険者資格喪失後についても同様に適用されることになっています。

※厚生年金の強制適用事業所とは、法人又は5人以上の従業員を常時使用する個人事務所です。

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