EU金融危機_ギリシャに続きアイルランドも

PIIGSと通称されるEUの問題国のうち、ギリシャ(Greece)に次いでアイルランド(Ireland)の危機がにわかに顕在化してきています。アイルランドとはいかなる国なのでしょうか。英国の隣の島国で、4世紀から5世紀にかけてのゲルマン民族の大移動前から大ブリテン島を含むこのあたり一帯に住みついていたケルト民族(Celts)の子孫で、大移動によって大ブリテン島に侵攻してきたアングロサクソン族(Anglo-Saxon)により、辺境に押しやられた人々です。

アイルランドには、3つの首都があると言われます。首都ダブリン(Dublin)の他、対岸のリヴァプール(Liverpool)及び米国ボストン(Boston)ですが、これらの地を中心に多くの移民を送り出していることによるものです。

さて、アイルランドの経済規模ですが、多くの移民を出している反面、本国の人口は4.5百万人(2008年)ほどで、名目GDPは2008年で1857億ユーロ(約21兆円)です。ちなみに、我が国は人口120百万人、2010年の名目GDP見通しは475兆円です。

アイルランドの財政危機は、金融機関の債務を一律保証したことに起因すると言われています。金融危機前、金融部門は借入金に過剰に依存してバブル経済をもたらしました。バブル崩壊後、アイルランドの金融機関は深刻な損失を負ったため、政府は金融機関を救済し、無担保の上位債務すべてを保証する施策を行いました。これまでアイルランド政府は、財政赤字を削減するために福祉手当や公務員賃金の削減などで今年の財政赤字の対GDP比率が昨年の14%から11.5%に下がると見込んでいました。しかし、国有化したアングロ・アイリッシュ銀行への公的支援が急増しており、この支援を統計上の政府債務に含めるか欧州委員会と協議中ではありますが、含めるとGDP比が約20%に上昇する(アラン・アハーン財務相特別顧問)とも最悪32%になるとも言われています。

不動産金融専業のアングロ・アイリッシュ銀行は2009年1月に破綻、国有化されました。今年上期に同国企業史上最悪の赤字(82億ユーロ=約8700億円)を計上。長期的な損失処理コスト予想は当初の220億ユーロから250億ユーロに増加しています。これだけでGDPの1割超となりますが、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は「最大350億ユーロに膨らむ恐れがある」と指摘し、同国の国債格付けを8月下旬「ダブルAマイナス」に1段階引き下げています。


===時事通信より引用===

アイルランドに緊急融資へ=最大10兆円-EU

【ブリュッセル時事】財政・金融危機に直面しているアイルランド政府は21日、欧州連合(EU)に緊急融資を正式に要請した。これを受けてEU加盟国財務相は電話による緊急協議を行い、ユーロ圏および欧州の金融安定のため、同国を支援することを決めた。EUによるユーロ圏諸国への緊急融資はギリシャに次ぎ2例目。アイルランド支援をめぐっては、EUは18日から国際通貨基金(IMF)を交えて本格的な協議を行っている。融資額は近く固まる見通しで、最大900億ユーロ(約10兆2600億円)に上るとみられている。今春のギリシャへの緊急融資は1100億ユーロだった。

EUの声明によると、アイルランドへの支援はユーロ圏諸国向けに整備した最大7500億ユーロの緊急融資制度を活用する。同制度の発動は初めて。また、英国とスウェーデンはこれとは別に2国間融資を供与する意向。IMFのストロスカーン専務理事も21日声明を発表し、「複数年の融資を含めた支援努力に参加する用意がある」と語った。

アイルランドは、金融危機下で経営が行き詰まった大手銀行を国有化したことなどが重荷となり、財政状況が悪化している。同国の金融機関は今後、一層の資金繰り難が懸念されており、緊急融資は、こうした問題への対応に充てられる。(2010/11/22-10:09)

===引用終わり===

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