農林年金の基礎知識

1.農林年金とは何か

社会保障制度の一つで、「農林年金」という用語に出くわす機会がありました。「うちは厚生年金ではなく、農林年金です。」というような感じです。社労士の受験勉強をしていた時ですら多分耳にすることがなかった公的年金なのですが、正確には平成14年4月まで「農林漁業団体職員共済組合」のことでした。農林年金は、平成14年4月に厚生年金と統合するまでは共済年金の一つでしたが、統合により2階部分は厚生年金に移行し、職域独自の年金である3階部分を「特例年金」として給付しています。統合に伴い、それまで農林年金一本であった給付は、国が支給する厚生年金給付と農林年金(存続組合)が支給する特例年金給付の2つに分かれています。

この農林年金について、基礎年金番号制度が導入される前、すなわち1996年(平成8年)12月以前の期間のみ農林年金に加入していた人については、共済組合に「農林共済組合員期間証明書」の発行手続きを済ませ、年金機構(旧社会保険庁)への記録の移管が済んでいない場合、この記録自体が年金特別便及び定期便等から抜け落ちてしまいます。

現在、年金受給者については、共済組合に基礎年金番号を登録し、年金機構への記録の移管も完了しています。農林年金の加入記録はきちんと年金の算定基礎になっており、特別便等に農林年金の加入記録が表示されていなかったとしても年金の給付額には影響していません。しかし、被保険者については、毎年送られてくる定期便に記録漏れがあるのは気分がいいものではないと感じる人も多いと思われます。そういう人は、共済組合に「農林共済組合員期間証明書」の発行手続きを済ませ、年金機構(旧社会保険庁)への記録の移管を早めに行った方が良いと思います。

http://www.norin-nenkin.or.jp/qanda/index.htm


2.共済組合の基礎知識

それでは、共済組合とは何か。Wikipediaからの引用ですが、この機会に基礎的なことをまとめておきます。

共済組合とは、一言でいうと「社会保険の一つで、国家公務員、地方公務員又は私立学校職員等が加入している健康保険及び年金保険の保険者である」ということです。国が保険者である厚生年金とは、別系統の社会保険制度です。しかし、制度の沿革など一切無視して何も知らないと仮定して見てみると、民間のための保険者が国であるのに、公務員のための制度の被保険者が国でないというのには違和感を覚えてしまいます。

(1)共済組合の種類

① 国家公務員共済組合(国家公務員共済組合連合会に加入しているもの20団体)
 衆議院共済組合、参議院共済組合、内閣共済組合
 総務省共済組合、法務省共済組合、外務省共済組合、財務省共済組合
 文部科学省共済組合、厚生労働省共済組合、農林水産省共済組合
 経済産業省共済組合、国土交通省共済組合、防衛省共済組合
 裁判所共済組合、会計検査院共済組合、刑務共済組合、
 厚生労働省第二共済組合、林野庁共済組合、日本郵政共済組合
 国家公務員共済組合連合会職員共済組合

② 各種地方公務員共済組合
 地方公務員共済組合連合会に加入しているもの
 東京都職員共済組合(1団体)
 地方職員共済組合(1団体)---道府県の職員と地方団体職員
 指定都市職員共済組合(10団体)---政令指定都市職員。1市1組合(ただし、仙台市以降に政令指定都市になった市の職員は市町村職員共済組合)。
 市町村職員共済組合(47団体、全国市町村職員共済組合連合会)---市町村職員(一部の市、政令指定都市を除く)。都道府県ごとに1組合。
 都市職員共済組合(3団体、全国市町村職員共済組合連合会)---市町村職員共済組合に加わっていない一部の市の職員。1市1組合(北海道都市職員共済組合及び愛知県都市職員共済組合は複数の市で1組合)。
 警察共済組合(1団体)---都道府県警察職員と警察庁職員
 公立学校共済組合(1団体)---公立学校職員、都道府県教育委員会とその教育機関の職員

③ 私立学校教職員共済制度
 日本私立学校振興・共済事業団 共済事業本部

④ 農林漁業団体職員共済組合
 農林漁業団体職員共済組合(年金事業のみ)は、「1.農林年金とは何か」参照。

⑤ その他
以下の共済組合は平成9年4月に厚生年金保険に統合され、現在は厚生年金保険に統合されなかった期間の長期給付事業のみを行なっています。

 日本たばこ産業共済組合、日本電信電話共済組合、日本鉄道共済組合

以下の共済組合は平成22年1月に社会保険庁廃止に伴い解散し、厚生年金保険及び健康保険に統合されました。それに伴う経過措置として旧組合の一切の権利義務については厚生労働省共済組合及び新たに機構に設立される健康保険組合が承継しました。(平成19年7月6日法律第109号)

 社会保険職員共済組合


(2)加入対象者

公務員の場合、共済組合に加入できるのは正規の職員のみです。臨時的任用を受けている職員は、加入することができません。公務員及び教職員の共済組合(共済制度)は、年金及び健康保険の機能を持っており、共済組合員は健康保険法に基づく保険料の徴収及び各種給付が行なわれません。

臨時的任用職員及び非常勤職員(一定の条件を満たすもの)については、厚生年金及び全国健康保険協会管掌健康保険の加入者となります。


(3) 法的根拠及び財源

共済組合は、組合組織ですが下記の法律により法人格を有しています。

 国家公務員共済組合    国家公務員共済組合法
 地方公務員等共済組合   地方公務員等共済組合法
 私立学校職員共済制度   私立学校教職員共済法
 農林漁業団体職員共済組合 農林漁業団体職員共済組合法

組合員である職員が負担する掛金(長期掛金、短期掛金、介護掛金及び福祉掛金)と、国又は地方公共団体等の負担金又は掛金を財源としています。

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