「又は」及び「若しくは」

法律及び契約書などの法律文書で、用語を厳格に使い分けるという話です。

1.条、項、号

法律文書は、「条」、「項」、「号」の段階構造で書き分けられます。一番大きな項目は「条」であり、第1条、第2条・・・と続いていきます。
2番目に中程度の項目として、条の中に「項」が並びます。項は条文が長くなったときなどにそのその条文の内容をさらに箇条書きににして説明するためのものです。項も第1項、第2項・・・と続いていくはずですが、第1項だけは、数字をふらないことがよくあります。これは、単に省略しているだけですが、民法、労働基準法など法律はこの方式を採っています。契約書などでは、「第1項」又は「1」でも全く問題ありません(全体で統一されている方が良いことは言うまでもありません)。
この条又は項の中で、同様の内容をさらに箇条書きで列挙して説明するものが「号」です。項と違い号の場合は、1号を省略しないのが一般的です。


2.「及び」、「並びに」

「及び」、「並びに」は、どちらも並列的接続詞で、英語の「AND」に当たります。「および」、「ならびに」と平仮名で書いても同じ意味です。

まず、結合される語が同じ種類又は同じ水準のものの場合「及び」を用います。

(例1)
 「労働基準法」及び「労働契約法」


同じ種類の語を2以上並べるときは、「、」で結合して、最後に「及び」です。

(例2)
 「労働基準法」、「労働契約法」及び「労働安全衛生法」


結合される語の種類が違っていたり、別の水準のものの結合には、「並びに」を用います。

(例3)
 「労働基準法」及び「労働契約法」並びに「国民年金法」


(例4)
 「労働基準法」、「労働契約法」及び「労働安全衛生法」並びに「国民年金法」及び「厚生年金保険法」

前のかたまりが労働法関係の法律、後ろのかたまりが社会保険関係の法律というわけです。

結合される語が3段階以上になる場合には、一番小さな結合に「及び」を使い、それ以上には「並びに」を使います。

(例5)
 「労働基準法」、「労働契約法」及び「労働安全衛生法」並びに「国民年金法」及び「厚生年金保険法」並びに「就業規則」



3.「又は」、「若しくは」

「又は」、「若しくは」は、どちらも選択的接続詞として使われ、英語の「OR」に当たります。「または」、「もしくは」と平仮名で書いても意味は同じです。

まず、結合される語が同じ種類又は同じ水準のものの場合「又は」を使います。

(例6)
 「労働基準法」又は「労働契約法」


同じ種類の語を2以上並べるときは、「、」で結合して、最後に「又は」です。

(例7)
 「労働基準法」、「労働契約法」又は「労働安全衛生法」


結合される語の種類が違っていたり、別の水準のものの結合の場合には、小さな選択的接続詞に「若しくは」を用います。大きな選択的接続詞に「又は」を用います。前述の「及び」、「並びに」と平仄を一にしない感じがするので、間違えやすいところです。

(例8)
 「労働基準法」若しくは「労働契約法」又は「国民年金法」


(例9)
 「労働基準法」、「労働契約法」若しくは「労働安全衛生法」又は「国民年金法」若しくは「厚生年金保険法」


結合される語が3段階以上になる場合には、一番大きな選択に「又は」を使い、それ以下には「若しくは」を使います。

(例10)
 「労働基準法」、「労働契約法」若しくは「労働安全衛生法」若しくは「国民年金法」若しくは「厚生年金保険法」又は「就業規則」

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