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公的年金の財政検証結果について

 公的年金の5年に一度行われる財政検証の結果が公表されました。27日の日本経済新聞電子版によれは、厚生労働省の予測は「経済成長率が最も高いシナリオでも将来の給付水準(所得代替率)は今より16%下がり、成長率の横ばいが続くケースでは3割弱も低下する。」とのことでした。

 しかしながら、所得代替率を50%以上に保つことは法定されていることであり、従って厚労省をはじめとする政府が行うべきことは、所得代替率50%を保つための経済成長を維持できる経済政策を推進していくことのはずです。そのために、必要ならば経済産業省にどのような成長戦略を用いれば、高い成長率を維持できるのか、施策練ってもらわねばなりません。おそらくは積極的な財政政策なしに高い経済成長に持っていくことは至難の業です。いずれにしてもある程度の財政措置が必要で、財務省にそのための予算をつけてもらわねばなりません。結局、国の問題の元凶はすべて現在の緊縮財政がもたらしているといっても過言ではなく、逆に言えば高い経済成長を成し遂げることによって我が国のかかえるほとんどの問題は解決または緩和されるということです。

 それから、そもそも年金財政について考えるときの視点は、分かりやすく単純化すると次のようになると考えられます。
(1)国民の多数を占める公務員や会社従業員などの加入する厚生年金保険ですが、20歳から70歳まで勤務するとして、個人と雇用主で18.3%、つまり、給与の約2割を負担すると仮定します。実際は、20歳から65歳くらいまでですし、負担率は2割弱ですが、税金も投入されますので、50年間×0.2で10負担しているとざっくり仮定できます。
(2)一方、年金の給付は、平均寿命がおよそ85歳と仮定して、65歳から85歳までの20年間、所得代替率を現役世代の50%とすると、20年間×0.5で10となり、ほぼ均衡することになります。
(3)年金制度は賦課方式ですが、マクロ経済スライドは、負担側の現役世代の人口減少と受給者の平均余命の伸びを考慮して均衡が極端に崩れないように給付額を値切るしくみになります。

=== 日本経済新聞電子版 令和元年8月27日から一部転載 ===

 厚生労働省は27日、公的年金制度の財政検証結果を公表した。経済成長率が最も高いシナリオでも将来の給付水準(所得代替率)は今より16%下がり、成長率の横ばいが続くケースでは3割弱も低下する。60歳まで働いて65歳で年金を受給する今の高齢者と同水準の年金を現在20歳の人がもらうには68歳まで働く必要があるとの試算も示した。年金制度の改革が急務であることが改めて浮き彫りになった。

 試算では夫が会社員で60歳まで厚生年金に加入し、妻が専業主婦の世帯をモデルに、現役世代の手取り収入に対する年金額の割合である「所得代替率」が将来どう推移するかをはじいた。政府は長期にわたって所得代替率50%以上を確保することを目標にしている。2019年度は現役の手取り平均額35.7万円に対して年金額は約22万円で、所得代替率は61.7%だった。

 6つのシナリオのうち経済成長と労働参加が進む3つのケースでは将来の所得代替率が50%超を維持できる。14年の前回財政検証と比べると、将来の所得代替率はわずかに上昇した。女性や高齢者の就業率が想定よりも上昇し、年金制度の支え手が増えたためだ。積立金の運用が想定を上回ったことも寄与した。

 ただ29年度以降の実質賃金上昇率が1.6%、実質経済成長率が0.9%という最も良いシナリオでも所得代替率は今と比べて16%下がる。成長率が横ばい圏で推移する2つのシナリオでは50年までに所得代替率が50%を割り込む。最も厳しいマイナス成長の場合には国民年金の積立金が枯渇し、代替率が4割超も低下する。これらの場合、50%の給付水準を維持するために現役世代の保険料率の引き上げなどの対策が必要になる。

=== 転載終わり ===

20190623_Lunch@いきなりステーキ

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