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勝負に勝つにはボーと観る

 超一流といわれる競技選手の脳の機能を解明するといった内容の柏野牧夫氏による講演を聴講して参りました。柏野氏は、NTT コミュニケーション科学基礎研究所の上席特別研究員で、スポーツ脳科学プロジェクトを率いておられる方です。

 講演で柏野氏が取り上げた競技は、主に対人競技で、格闘技および野球でした。これらの競技では、対戦相手の挙動を的確に予測し、かつ、相手が行うこちらの挙動予測をはずしてしまうことができれば、ほぼ勝つことができます。ここで、野球における投球と打撃に絞って動作と脳の動きが語られます。

(1)人間の「見る」という行為においては、必ずしも物理的なボールの動きの通りに見ているわけではないのです。その理由は、人間の網膜の中で、物がくっきり見えているところはごく一部であり、その周辺の網膜の大部分を占めているところでは、ぼんやりとしか見えていないからです。見るという行為は、物がくっきり見えているところをきょろきょろ動かしたり、脳で画像を補ったりしているのです。そのため、くっきりした画像として意識するまでにコンマ数秒の時間を要しているのです。

(2)ところが、超一流、達人といわれる打者の中には、「見る」という行為に要する時間よりも明らかに早い瞬間に球筋を目で捕捉し、反応している選手がいます。逆に、敢えて目をはずすような動きをする選手もいます。

(3)脳の中の視覚をつかさどる領域は二種類あり、「物をしっかりと見る」領域と「大雑把に動きを把握する」領域があります。前者は、しっかりと見て意識することができるのですが、反応が遅く、後者は、意識が伴わない分速い反応ができるのです。

(4)要は、潜在意識のようなものを発揮して、見ないようで見るような姿勢でいることが、相手の挙動に素早く対応できるということのようです。古くから剣術の世界で言い古されてきた「遠山の目付」、「観の目強く、見の目弱し」といった言葉の真意は、もしかすると、こういうことだったのかもしれません。

 浅草社労士は、若い頃、何時も肩に力が入っていて、見の目強しの状態でした。これでは、スポーツにしろ、対人関係にしろ、好成績は望めませんね。肩の力を抜かなければ、実力は十分に発揮することができないというのは、かなり前に(といっても年齢をくってから)悟りましたが、「見る」ということについては考えたこともありませんでした。遠山の目付でボーと観ることを試してみたいと思っております。

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