国家公務員と時間外労働の問題

 7日の日本経済新聞電子版に「労働基準法の適用外 厚労省で続く徹夜勤務」という矢崎日子氏の署名記事が掲載されておりました。記事の骨子は、以下のような内容でした。

<霞が関は年末に向け2018年度の予算編成作業が大詰めを迎える。その中でも今年の厚生労働省は特に大変だ。予算のうえに、医療と介護の公定価格である診療報酬、介護報酬の改定作業、障害者向けサービス、生活保護制度の見直しなどが重なるためだ。

 昼間は会議や、国会議員への対応などで時間をとられる。夕方からやっとそれぞれの作業に移るが、午後10時にはとても終わらない。深夜0時を過ぎるのは普通、徹夜になることもある。労働関連法を所管する厚労省だが「国家公務員に労働基準法は適用されないから」と自嘲ぎみに語る職員もいる。確かに、国家公務員の一般職には労働基準法は適用されていない。

 世間一般には長時間労働の是正を促す立場の厚労省。ただ国家予算の3分の1を占める社会保障を担当しており業務量は多い。霞が関では「強制労働省」とやゆされる。残業による過労死をなくすために残業をする人たちがいるとしたら、それを厚労省の人たちはどう考えているのだろうか。>

 労働基準法116条2項は、① 同居の親族のみを使用する事業、及び② 家事使用人については、労働基準法が適用されないとしています。一方で、112条は労働基準法の国、都道府県、市町村などへの適用を謳っています。しかし、公務員に対する労基法の適用はかなり複雑な仕組みになっています。

 まず、一般職の国家公務員については、労基法の適用は原則なしと考えます。その根拠は、国家公務員法附則16条で一般職の国家公務員に対する労基法の適用除外が規定されているからです。労働基準監督機関の職権の行使も当然できないと考えます。一般職の国家公務員とは、特別職に属する職以外の全ての国家公務員であり、特別職は法律上明文で列挙されています。

 ということで、働き方改革を進めている主要当事者の一人であるところの厚生労働省自身が職員に過重労働を強いているという何とも皮肉な現状を矢崎氏は指摘しておきたかったのでしょう。一方で、国家に対して重い責任を負い、国民の生命及び財産を護る使命を担った高級官僚に過重労働の禁止とか、ワークライフバランスといった世間一般の概念は当てはめられないという議論もあると考えます。しかし、いくら使命感に燃えるエリート官僚であっても、徹夜や深夜帰宅が何日も続いたとしたら、疲れ果ててしまった心身で真に国益にかない、国民の利益につながる政策を遂行していけるのか、少々心もとない感じを持ってしまいました。

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