加給年金及び振替加算

1.加給年金の考え方

一昔前までは「夫がサラリーマン、妻が専業主婦、子供が2人位」が標準的な世帯として想定されて様々な制度が作られてきました。そのため、「扶養控除」又は「家族手当」等の名称の仕組みが社会の様々な場面で見受けられます。厚生年金の世界でも、「家族手当」に相当するものが設けられています。それが加給年金です。

(1)加給年金の支給要件

厚生年金の被保険者期間が原則20年以上(例外は中高齢者の特例の場合の期間【註】参照)ある者(仮に「A夫」とします)が、年金の受給権を取得した当時(又は定額部分の支給開始年齢到達時)、その者によって生計を維持している65歳未満の配偶者(仮に「B子」とします)又は原則18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子がある場合、加給年金が支給されます。

(2)加給年金額

加給年金の額は、配偶者B子のいる場合22万7900円、子がいる場合、第1子及び第2子については一人当たり22万7900円、第3子以降の子は一人当たり7万5900円となっています。 但し、昭和9年4月2日以後に生まれた受給者A夫については、その生年月日に応じて配偶者B子の加給年金額に次の額を加算します。従って、今後は多くの場合、配偶者B子対象の加給年金額は39万6000円ということになります(2010年7月現在)。

特別加算額
   受給権者の生年月日 加 算 額
昭和9年4月1日以前生まれ    0円   
昭和9年4月2日~昭和15年4月1日    3万3600円   
昭和15年4月2日~昭和16年4月1日    6万7300円   
昭和16年4月2日~昭和17年4月1日   10万1000円   
昭和17年4月2日~昭和18年4月1日   13万4600円   
昭和18年4月2日以後生まれ   16万8100円   

 

(3)生計維持の認定基準

生計維持関係にある者とは、受給権者A夫がその権利を取得した当時その者と生計を同じくしていた者であって、次のいずれかに該当する者がこれに該当する場合とされています。

① 前年の収入が年額850万円未満(前年の収入が確定しない場合前々年の収入)

② 前年の所得が年額655万5千円未満(前年の所得が確定しない場合前々年の収入)

③ 一時的な所得がある場合は、これを除いた後、①又は②に該当すること

④ ①及び②に該当しないが、定年退職等の事情により、近い将来収入が850万円未満又は所得が655万5千円未満になると認められること

【註】厚生年金の中高齢者 ―――――  厚生年金の被保険者期間について、40歳以降(女性は35歳以降)の被保険者期間が昭和22年4月1日以前に生まれた方については15年、その後に生まれた方については1年ずつ期間が延長され、昭和25年4月2日から翌26年4月1日までに生まれた方について被保険者期間19年で、老齢基礎年金の受給資格を取得できる仕組みです。そして、昭和26年4月1日までに生まれた方については、加給年金の支給要件の被保険者期間についても、上記の考え方を適用して短縮措置がとられています。

 

2.振替加算

配偶者B子がいる場合の加給年金は、配偶者B子が65歳に達して老齢基礎年金が支給されるようになると、支給されなくなります。但し、配偶者B子が大正15年4月2日から昭和41年4月1日までに生まれた者である場合、当該配偶者B子が65歳に達した日に次の①又は②の要件に該当する者A夫により生計を維持されていて加給年金の対象になっていた場合に、その生年月日に応じて、振替加算が配偶者B子が受給する老齢基礎年金に上乗せされて支給されます。ちなみに、昭和41年4月1日以前生まれというのは、厚生年金被保険者の妻である専業主婦が第三号被保険者として、国民年金の被保険者となることを決めた61年改正以前に既に20歳に達していた人たちです。

① 老齢厚生年金、退職共済年金で、被保険者期間が20年(中高齢の特例の場合15~19年)以上ある受給権者

② 障害等級1級又は2級の障害の状態にある障害厚生年金、障害共済年金の受給権者

大正15年4月1日以前生まれの方については、昭和61年に60歳に達しており、その者に老齢基礎年金が支給されないことから、配偶者B子がいる場合の加給年金が厚生年金に加算されてA夫に支給され続けます。

また、配偶者B子自身が20年(中高齢の特例の場合15~19年)以上の被保険者期間のある老齢厚生年金若しくは退職共済年金又は障害厚生年金若しくは障害基礎年金等を受取ることができるときには、そもそもA夫に加給年金が支給されないため、振替加算も支給されません。

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平成24年度改定額

配偶者:22万6300円
子がいる場合、第1子及び第2子については一人当たり22万6300円、第3子以降の子は一人当たり7万5400円となっています。
今後は多くの場合、配偶者B子対象の加給年金額は39万3200円となります。

2012年10月04日 21:31 from ヨコテ URL

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