長時間労働に関する新聞記事

 安倍内閣は平成28年9月27日、第1回「働き方改革実現会議」を開催し、働き方改革の中身を示す課題として9項目を提示しました。その中で、第3番目に掲げられているのが、「長時間労働の是正」についてです。昨年後半に電通で起きた悲惨な事件がたびたび新聞テレビでとり上げられたことも手伝ってか、ここのところ、長時間労働に関する記事を頻繁に目にするようになりました。今年は、非正規雇用の待遇改善と並んで、長時間労働の是正が主要課題となると断定しても良いのではないでしょうか。

=== 日本経済新聞電子版 平成29年1月11日 ===

 厚生労働省神奈川労働局は11日、労使協定の上限を超える残業を研究職の社員にさせたとして、労働基準法違反の容疑で法人としての三菱電機と、同社の幹部を書類送検した。同社の情報技術総合研究所(神奈川県鎌倉市)の元社員の男性(31)が、過重労働が原因で精神疾患を発症。同労働局は違法残業の疑いがあるとみて捜査を進めていた。書類送検の対象となる幹部は元社員の当時の上司。元社員は昨年11月、藤沢労働基準監督署(同県藤沢市)から労災認定を受けた。

 元社員は大学院博士課程を修了し、2013年4月に三菱電機に入社。同研究所でAV(音響・映像)機器の部品開発などを担当していた。入社1年目の14年1月以降、業務量が大幅に増え、同年4月上旬ごろに適応障害を発症した。同労基署は月100時間以上の残業をさせられ、心理的負荷が強まったのが原因だとして労災認定した。

 神奈川労働局は元社員の入退室記録などを分析し、労使協定の上限を超えて残業をさせられていたことを確認。法人と当時の上司の書類送検に踏み切った。元社員は昨年11月、労災認定後に厚労省で記者会見し「上司から残業時間の過少申告を強要されていた」とも主張。14年2月は実際の残業が160時間だったのに59時間と申告したと説明した。一方、三菱電機は「過少申告はなかったと認識している」とした。

 大手企業の長時間労働問題を巡っては、東京労働局が新入女性社員が過労自殺した電通と当時の上司を昨年12月28日に労基法違反容疑で書類送検した。電通は同日、石井直社長が記者会見し、引責辞任すると表明。違法残業で立件された責任をとりトップが交代する事態に発展した。労働局や労基署による監督指導は、かつては建設現場の作業員や工場労働者などを守ることを重視して行われてきた。電通に続いて三菱電機も違法残業で書類送検されたことは、ホワイトカラー職場に監督の重点を移す厚労省の姿勢を反映しているとみられる。

=== 日本経済新聞電子版 平成29年1月12日 ===

 従業員が退社してから翌日の出社まで一定時間を空ける制度を導入する企業が増えている。KDDIなどに次ぎ、三井住友信託銀行が昨年12月から導入したほか、ユニ・チャームやいなげやも今年から採用する。制度が義務化されている欧州に比べ、日本での取り組みは遅れている。長時間労働の是正が経営の重要課題になるなか、政府も同制度の普及を後押しする考えで、今後追随する企業が増えそうだ。

 「勤務間インターバル制度」と呼ばれ、欧州連合(EU)は1990年代初頭から、加盟国に最低でも11時間の休息確保を義務づけている。一方で日本では法定労働時間に基づいて従業員の始業時刻を合わせるなど、画一的な働き方を求めてきたため、導入が遅れていた。厚生労働省によると勤務間インターバルを導入する企業は調査した約1700社のうちの2%にとどまっている。

 ユニ・チャームは5日から、社員約1500人に対して、残業をしても翌朝の出勤時間を遅らせるなどして8時間以上休息するよう義務づけた。勤怠データを基に、休息が取れていない社員には個別に上司が業務改善を促す。同時に深夜勤務を減らすため、1月から午後10時以降の残業を原則禁じることも決めた。大手スーパーのいなげやはパートを含めた約1万人の従業員を対象に、2017年中に10~12時間の休息を確保できるようにする。休息が確保できる勤務表しか作成できないようにシステムを変更する。人手不足のなかでの同制度の導入は人件費などがかさむ懸念はあるが「従業員の心身の健康を優先する」(いなげや)としている。三井住友信託銀行は16年12月に、退社から出社まで9時間以上空ける対象を嘱託を含む約1万4千人の全行員に広げた。従来は海外とのやり取りで残業時間が多い部署などで先行実施していたが、全社規模に広げて働き方改革を推し進める。

 6年前に同制度を採用した三菱重工業は「管理者を含め、できるだけ残業を減らすように社員の意識が変わってきた」という。同制度は翌日の出勤時間を遅らせることができるため、残業を助長するとの指摘もある。ノー残業デーといった様々な制度と組み合わせた取り組みが欠かせない。ホンダは残業しても翌日は仕事が終わってから12時間以上空けて出勤する制度を導入している。有給休暇の取得も徹底することで、従業員1人あたりの総労働時間が全国水準を下回り続けるなど、労働時間の削減につなげている。

 厚労省も制度導入に必要な労務管理用ソフトウエアの購入などにかかる費用の一部を助成する予定だ。社員の過重労働をいかに減らすかが問われるなか、働き方改革の一環としてインターバル制度を導入する動きは広がりそうだ。

=== 転載終わり (下線は浅草社労士) ===

20161112_華道@浅草公会堂

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三菱電機 刑事は不起訴

 横浜地検は27日、入社1年目の男性社員(31)に労使協定で定めた上限を超える残業をさせたとして労働基準法違反の疑いで書類送検された、法人としての三菱電機と40代の男性上司を嫌疑不十分で不起訴処分とした。詳しい理由を明らかにしていない。

 2014年1月16日~2月15日に労働組合との協定(三六協定)で定めた上限の月60時間を超える78時間9分の残業をさせた疑いがあるとして、厚生労働省神奈川労働局が今月11日、書類送検していた。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG27H9I_X20C17A1000000/

2017年01月29日 11:13 from ヨコテ URL

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