歓送迎会後の帰社中に事故と労災適用2

 会社が企画した歓送迎会出席、その後仕事のため再び事務所に戻る途中で交通事故に遭い死亡した者に労災が適用されるのか、という事案に最高裁がこれを認める判決を下したことは7月11日の記事で紹介しました。この事案に関連して、労基署はこのような場合、業務遂行性を一般的にどう解釈しているのか、それに対応して社労士はどのように案件を取り扱うべきなのか、東京都社労士会会報10月号の特集記事から要点を抜粋してみました。

 厚生労働省が公にしている解釈集によれば、次のような解釈によるべきだとされ、業務遂行性が認められるためには「特別な事情」が必要とされているようです。

 「宴会、懇親会、慰安旅行等、各種の催しが取引上又は労務管理上の必要から対外的、対内的に行われている場合、これに参加した労働者の災害については、まず業務遂行性の判断に困難な場合が少なくない。この種の催しの世話役等が自己の職務として参加する場合(営業課員、庶務課員などに多い)には、一般的に業務遂行性が認められるが、それ以外の労働者の場合には、その催しの主催者、目的、内容(経過)、参加方法、運営方法、費用負担等について総合的に判断しなければならないとしても、特別の事情がない限り、業務遂行性がないのがむしろ通例である。」

 今回の事案が、当初労基署で業務遂行性が否認され、審査、再審査、さらに地裁、東京高裁でもその決定が覆らず、そして最高裁判決にまで及んでしまったことについて、こういった解釈の分かれることが予想される事案の場合、初期の労災保険の請求段階で「項目ごとの主張と請求趣旨を明示した各種証拠及び資料をそろえ、請求趣旨の詳細かつ論理的な記述を心がけることが望ましいと考えられるようです。本事案で言えば、遺族補償年金支給請求書の「災害の原因及び状況」欄に催しの主催者、目的、内容(経過)、参加方法、運営方法、費用負担等懇親会開催の経緯について詳述することが求められます。従って、これらを詳述するための相当量の資料及び証拠の収集が必要だったといえます。

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