年金受給資格期間を10年に

 我が国の公的年金の受給資格を得るための受給資格期間は、現行25年とされています。これは、例えば米国の10年などに比べて、かなり長い期間になっており、その分受給資格要件を満たさない無資格者を生み出しやすい制度であることは事実です。そこで、社会保障と税の一体改革の一環で、消費税を10%まで引き上げ、この増税による税収増を財源に受給資格期間を10年に短縮することが既に法定されておりました。しかしながら、我が国の経済が消費税を8%に増税したことの影響でデフレに再突入しようという情勢下、6月1日に消費税再増税を平成31年10月まで2年半延期することが発表されました。消費税が10%まで上げられないということは、受給資格期間短縮も延期されるということです。

 今回の参院選における与党の勝利を、政権側は安倍政権による経済政策の継続が国民によって支持されたと受け取っており、平成26年度の消費増税及び近年の海外における景氣後退の影響で再び失速しつつある国内経済のてこ入れのため、10兆円を超える大型補正予算について、首相自ら言及されました。その中で注目されたのは、受給資格期間の短縮を消費増税の実行を待たずに来年度から実施する、そのための法整備などの準備を進めるという考えが述べられたことです。いよいよ、米国と同じ受給資格期間10年の制度の来年度からの導入が濃厚な情勢になってきました。


=== 日本経済新聞電子版 7月12日 ===

 安倍晋三首相は11日、参院選を受けて自民党本部で記者会見し、デフレ脱却に向け「内需を下支えできる総合的かつ大胆な経済対策を実施したい」と表明した。年金の受給資格を得るのに必要な保険料の納付期間を、来年度から短縮する意向を示した。現在の25年から10年に縮める。融資などを含め事業規模10兆円を超える大型対策で自らの経済政策「アベノミクス」を進める。首相は12日に石原伸晃経済財政・再生相に経済対策の検討を指示する。11日の記者会見では、参院選で「アベノミクスを一層加速せよと国民から力強い信任をもらった」と述べ、消費増税の2年半延期を含めて理解を得たとした。「あらゆる政策を総動員し、デフレからの脱出速度を最大限引き上げていかねばならない」と語った。

 経済対策では「成長の果実を必要な分配政策に大胆に投入する」と強調。その柱の一つとして納付期間が足りずに年金を受け取れない無年金者の問題をあげ、納付期間の短縮を「来年度からスタートできるよう準備を進める」と表明した。現行法は消費税率を10%に引き上げるのにあわせて導入すると定めているが、財務、厚生労働両省は首相の意向を受けて消費増税を待たずに先行導入する。来年の通常国会に関連の予算案や法案を提出する。年金は20歳以上から60歳未満の間、すべての人が保険料の納付を義務付けられている。納付済み期間に免除期間などを合計した期間が25年以上に達すると、年金を受け取れる。非正規労働者の増加などを背景に、納付期間が25年に達しない人が増えている。受給資格の10年間への短縮で、約42万人いる無年金者のうち約17万人が新たに年金を受給できるようになる見通しだ。

 首相は「未来の成長の種に大胆に投資する」とも表明。若者への投資として無利子の奨学金とともに、返済不要の給付型奨学金の導入も具体的に検討する考えを示した。地方創生に役立つインフラ整備では、リニア中央新幹線の全線開業の最大8年間前倒し、農林水産物や食料の輸出を促進する施設、訪日外国人向けクルーズ船を受け入れられる港湾施設の整備などをあげた。「ゼロ金利環境を最大限に生かし、財政投融資を積極的に活用する」と語った。

 政府・与党は9月中旬にも臨時国会を召集する方針だ。新たな経済対策の裏付けとなる今年度第2次補正予算案のほか、消費増税を再延期するための関連法案を審議する方針だ。先の通常国会で見送った環太平洋経済連携協定(TPP)承認案と関連法案の早期成立も優先課題となっている。

=== 転載 終わり (下線は浅草社労士) ===

20160711_蓮華@不忍池

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