トヨタ自動車カンパニー制へ移行

 以前に取り上げた豊田自動車がカンパニー制へ移行についての詳しい記事が今朝の日本経済新聞電子版に掲載されておりました。会社を「小型車」、「高級車」など車のタイプに基づくBusiness Unit(BU)に敢えて分離し、各BUごとに社長をおいて経営を任せるというカンパニー制の導入は、生え抜きで経営能力のある人材を育成していく仕組み作りがその真の目的であろうと思われます。しかし、各BUの社長には原則、専務役員を充てるというのはかなり保守的な印象を受けますし、また、人事、経理、調達などは共通部門として本社に残すようです。トヨタ流の漸進的なやり方で大きな改革を成し遂げようということかもしれません。また、一見、本社社長の負担軽減のようにも思えるカンパニー制ですが、この仕組みが上手く機能するためには、経営トップである社長の器と制度を定着させるまでの指導力が成否を左右する仕組みでもあります。かつてのSONYなど、中途半端なカンパニー制を採用して失敗した事例もあります。豊田自動車は手堅く、確実に、必要な改革にハンドルを切るが、決して急ハンドルは切らないということなのでしょう。

=== 日本経済新聞電子版 平成28年3月3日 ===

 トヨタ自動車は2日、社内カンパニー制を4月に導入すると発表した。「小型車」「高級車」など車のタイプに基づくカンパニーを設け、各カンパニーのトップが製品企画から生産まで責任を負う。意思決定のスピードを速めながら次世代の経営者を育てる狙い。プレジデント(社長)を「量産」し、ポスト1000万台時代の持続的な成長につなげる。

 4月18日付の組織改正で「製品企画」や「車両系生産技術・製造」など機能別の本部を解消し、小型車、乗用車、CV(商用車・ミニバン)の3カンパニーに再編する。レクサスは既に移行しており、トヨタの全車両の企画から生産までを4カンパニーが担当する。

 先進技術開発など3分野もそれぞれ新設・改組するカンパニーが担う。2013年に設けた「第1トヨタ」(先進国)「第2トヨタ」(新興国)は営業組織として存続。プレジデントを頂点とする9つの組織が主要な事業領域をカバーする。

 プレジデントには原則、専務役員を充て「経営者」として経験を積ませる。商用車カンパニーのプレジデントに就く増井敬二専務役員は生産子会社のトヨタ車体の社長を兼ねるなどグループ一体運営を目指す。副社長は2人減の4人とし1992年以降で最少となる。

 自動車業界では年間販売台数「1000万台の壁」が指摘される。米ゼネラル・モーターズ(GM)は大台を目指していた2009年に経営破綻。独フォルクスワーゲン(VW)はディーゼル車の排ガス不正問題を起こした。2年続けて達成したトヨタも「強固な機能別組織は当社の強みだったが最近は調整に時間がかかる」(幹部)。組織の規模を小さくし、問題の解消を目指す。課題もある。新組織についてある取引先幹部は「窓口が4つに分かれたら手間が増す」と指摘する。地域が軸の大規模再編から3年での見直しに「組織に手を入れると内向きにエネルギーを使う」(グループ会社首脳)と否定的な声もある。豊田章男社長は「組織再編そのものが解決策ではなく仕事の進め方を変えるきっかけ」という。社内カンパニー制導入で各カンパニーが部分最適を求めたり、かえって社内調整が増えたりした例もある。問題の芽を摘みつつ新たな成長モデル構築が求められる。

=== 転載 終わり (下線は浅草社労士) ===

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