EU諸国の財政赤字問題

1.ギリシャ国土売却

 以前にギリシャの財政危機について書いたので関心は持っていたのですが、借金の形に島を売却し始めたと言う話は、大前研一さんのメルマガを読んで最近知りました。ギリシャのEU全体に占めるGDPの割合は、たかだか2.5%と言われています。しかし、同じような問題がスペイン、イタリア等の大国に飛び火するとEUは相当まずいことになるのは確実です。そして、もう一つギリシャ財政危機問題の背後にある大きな問題は、これらの財政赤字の大きい問題国の国債を腹一杯保有しているのが独仏の主要銀行といわれていることです。独仏などが必死でギリシャを支援しているのは、自国発の金融危機を回避するためという見方もできるのです。


===日経新聞から引用===

 財政危機による信用不安に直面するギリシャは財政健全化のため、国内に約6000ある島の一部の売却を始めた。25日付の英紙ガーディアンが報じた。
 ミコノスやロードスといった人気観光地の島の一部も対象で、長期のリース譲渡にも応じるという。イオニア海のナフシカ島1200エーカー(約4.9平方キロ)は全体が約1500万ユーロ(約16億5000万円)で売りに出ている。ロシア人や中国人投資家が関心を示しているという。
 ギリシャ支援のための負担を強いられたドイツでは与党政治家から「ギリシャは島を売って借金を返せ」との声が上がっていた。当初は激しく反発していたギリシャも結局これに従わざるを得なくなったようだ。(ロンドン=岐部秀光)

===引用終わり===



2.英国 付加価値税20%に引上げ

 ギリシャは、恐ろしいと言うか凄まじいことになっているみたいですね。小泉政権下、経済財政政策担当大臣、金融担当大臣を歴任した竹中平蔵氏は、財政再建の過去の事例を研究した知己の学者が、成功事例と失敗事例を類型化した成果を引用して、次のように述べています。「増税を先行すると必ず失敗する。減税をして景気を好くした上で増税した場合には成功する」。我が国は、1997年に消費税2%引上げを行い、その後の景気後退を経験したことが未だ記憶に新しいので、竹中氏の主張には説得力があります。

 しかし、EUの中で、やはり財政赤字の問題を抱えている英国では、労働党から保守党への政権交代後、早くも付加価値税の引上げを含む緊縮政策を打ち出しています。今の段階で、賛否は分かれるのでしょうが、政府の姿勢は明確です。

(1)「財政再建の目標」について
【英国】2015年までに財政赤字の対GDP比率を10.1%から1.1%に削減
【日本】15年度までに国と地方を合わせたプライマリーバランスをGDP比で「10年度の水準からの半減」を目指す。国地方の債務残高については「21年度」以降、安定的に低下させる。

(2)「歳出削減の目標」について
【英国】4兆円(300億ポンド)の歳出削減
【日本】10年度の当初予算を11年度から3年間の上限予算とする11年度の新規国債の発行額を10年度以下に押さえる。

(3)「税制の変更」について
【英国】付加価値税を2011年1月から17.5%から20%に引き上げ、銀行税を導入、法人税率を2015年までに28%から24%に引下げ
【日本】未だ決定事項なし 2012年に消費税を10%に引上げ(?)

 我が国でも参院選後にどのくらいの速さで一体何が起こるのか、予断は許されないと思いますが、英国政府は(2)の削減目標を実現するために、子供手当の3年間の停止、福祉給付の抑制、公務員の賃上げ2年間凍結などを打ち出しています。手を拱いていれば、英国が示した先進国中最も厳しいと言われる政策以上の緊縮策が求められるようになるのかもしれません。

債務残高速報

コメント

英国緊縮財政の影響

Capital gain課税28%に引上げ、銀行新税導入、公務員給与削減、社会保障削減、大学の授業料を3倍に引上げ、→2010年11月10日学生のデモ、2011年8月6日ロンドン市内の暴動

2012年10月25日 22:12 from ヨコテ URL

英国の消費税引上げは失敗?

田村秀男氏
VATを20%に引上げた英国経済の動向に言及
http://www.youtube.com/watch?v=OdIkSDn20iM

2013年06月16日 14:19 from ヨコテ URL

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