不当解雇は金で解決

 解雇が不当だとして解雇無効を主張することは、結局「雇用契約上の権利を有する地位にあることを確認する」訴えとなります。この主張が認められると、雇用契約上の権利を有する地位にあるということ、晴れて職場復帰がかなうことになります。しかし、一度は個別労働紛争と化した状況から、元の職場に何もなかったかのように復帰するのは容易なことではないと想像できます。現実の世界では、使用者側が一定額の金銭を支払って和解し、労使関係に終止符を打つというのがこれまでも一般的に採用されてきた解決手段だったかと思われます。そういう観点からすれば、記事の内容は、現実を追認したもので、ある程度は首肯できる内容を含んでいるように思えます。

=== 日本経済新聞 3月26日 ===

 不当解雇に解決金を検討 職場戻る代わりに補償、規制改革会議

 政府の規制改革会議は25日、すでに裁判で不当と認められた解雇を、金銭補償で解決する制度の導入をめざす意見書をまとめた。解雇された労働者から申し立てがある場合だけに適用する制度とする。不当解雇をめぐるルールを明確にし、労働者が泣き寝入りを迫られる事態を防ぐ。経営者側も労働紛争の決着を見通しやすくなる。6月をメドに政府が閣議決定する規制改革実施計画にこうした方針を反映する。法整備に向けた議論が動き出すが、曲折も予想される。

 解決金制度は裁判で不当解雇と認められたとき、労働者が職場に戻るかわりに、法律で定められた一定額の補償金を使用者から払い、雇用関係を解消する仕組み。規制改革会議は意見書で「金銭解決の選択肢を労働者に明示的に付与し、選択肢の多様化を検討すべきだ」と提起した。ただ、不当解雇と認められたなら職場に復帰したい、という労働者もいる。あくまで「労働者側からの申し立てのみ認めるべきだ」と強調した。

 解雇ルールは現在、労働契約法16条で「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を乱用したものとして、無効とする」と定めている。

 判例によれば、整理解雇が認められるのは「4条件」を満たすケースだ。まず、人員削減をしなければ会社の存続が難しくなるということが大前提だ。経営者は解雇を避けるため、役員や従業員の報酬を減らすなど努力を尽くす必要がある。解雇対象者の人選が妥当か、本人への説明などの手続きが適正か、も条件に含む。

 解決金制度は裁判でこれらを争い、不当解雇と認められた後の手続きになる。4条件が変わるわけではない。制度導入を検討するのは、現実には裁判後に職場に復帰するより、金銭補償による和解で解決しているケースが多いとみられることが背景にある。

 労働法制見直しは安倍政権がめざす岩盤規制改革の柱だ。時間ではなく成果に対し賃金を払う「脱時間給」制度(ホワイトカラー・エグゼンプション)や派遣労働の規制緩和に向けた法改正は今国会の焦点になっている。連合を有力支持団体とする民主党などはいずれも否定的だ。実現までに難しいかじ取りが迫られる分野といえる。

 解決金制度も2014年に産業競争力会議で議論されたが、踏み込めなかった。中小企業の経営者は補償金額の引き上げにつながると慎重で、連合などは解雇拡大の口実を与えかねないと警戒している。意見書は「労使の代表者、厚生労働省など関係省庁が密接に連携して検討を開始し、結論を得るべきだ」とした。安倍政権としても時間をかけて丁寧に検討していく方針だ。

下線は浅草社労士

=== 引用 終わり ===

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