セクハラ厳重処分は適法の最高裁判決_海遊館事件

 セクハラ事件が起きたときに会社が行う懲戒処分について最高裁の判断が示されました。事業所内での信頼関係が築けていないと、心無い言動の積み重ねがセクハラ事件に直結しますし、心無い言動は、事業所内の信頼関係の構築を何よりも妨げます。会社が不幸にも起こってしまったセクハラ事件に対して、厳罰を以って臨むのはやむを得ないというながれが見て取れる判決です。

 セクシャル・ハラスメント(セクハラ)は不法行為の観点から論じることもできますが、使用者の安全配慮義務の派生問題と考えることができます。使用者の安全配慮義務とは、労働契約における人的・継続的な関係から当事者である労使双方には相手方の利益に配慮し、誠実に行動することが要請されています。この誠実・配慮の要請に基づく労働契約関係において使用者に求められる代表的な付随的義務が安全配慮義務です。一般的には、労働者が労務提供を行うための場所、設備、器具等の設置管理又は労働者が使用者の指示の下に労務を提供する過程において、労働者の生命、健康等を危険から保護するように配慮すべき義務といわれています。使用者は、物理的にも精神的にも健康で安全に業務を遂行できる職場環境を整える義務を負っていると考えるべきで、その一環として労働者間のセクハラなどを防止する措置を講じて職場環境を整備しておくことは当然のことなのです。就業規則で、セクハラ行為を行った者に対する厳しい懲戒処分を決めておくこともセクハラ防止措置の一つと考えることができるでしょう。


=== 産経新聞 2月26日 ===

 大阪市港区の水族館「海遊館」が、男性管理職2人に対し女性へのセクハラ発言を理由に出勤停止とした処分の適否が争われた訴訟の上告審判決が26日、最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)であった。同小法廷は重すぎるとして処分を無効にした2審大阪高裁判決を破棄、「就業規則に照らして処分は有効」として、海遊館側の処分を妥当とする逆転判決を言い渡した。

 男女雇用機会均等法は職場での性的言動の防止を義務づけており、企業は同法や厚生労働省の指針に基づきセクハラの処分をしている。最高裁の判断は企業の対応に影響を与えそうだ。

 判決によると、課長代理だった40代の男性2人は派遣社員の女性らに「俺の性欲は年々増すねん」などと性的な発言を繰り返したとして、平成24年2月、それぞれ出勤停止30日間と10日間の懲戒処分を受け、降格された。男性側は、「事前の警告なしに懲戒解雇に次ぐ重い処分をしたことは不当」と主張していた。同小法廷は、海遊館が内部文書でセクハラを禁じて研修も行い、就業規則で出勤停止などの懲戒処分を定めていたことから「会社側の処分は懲戒権の濫用には当たらない」と判断した。

 1審大阪地裁は、「上司であるのに弱い立場にある女性従業員らに強い不快感を与える発言を繰り返したことは悪質だ」として処分を有効と判断。しかし2審は「セクハラが軽微とはいえないが、事前の警告がない重い処分で酷だ」として、男性側の逆転勝訴とした。

下線は、浅草社労士

=== 時事通信 2月26日 ===

 セクハラ行為をしたとして出勤停止の懲戒処分を受けた水族館「海遊館」(大阪市)の運営会社で働く40代の男性管理職2人が、処分は不当だとして無効確認などを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)は26日、「処分は有効」として、無効とした二審大阪高裁判決を破棄し、原告の訴えを退けた。

 判決によると、2人は女性従業員に「俺の性欲は年々増す。なんでだろうな?」などと発言。セクハラ行為だとして、それぞれ30日間と10日間の出勤停止処分を受けた上、降格になった。

 一審大阪地裁は、上司という立場でありながら、繰り返しセクハラ行為をしており悪質だとして請求を棄却。二審は「女性から拒否の姿勢が示されず、許されていると思っていた」、「会社から事前の警告や注意がなかった」などの点を考慮し、処分は重過ぎると判断していた。

 第1小法廷は「職場内で女性に強い不快感や嫌悪感を与える発言を1年余りにわたって繰り返しており、不適切だ」と述べた。二審の判断に関し、「被害者が内心では不快感などを抱きながらも、人間関係の悪化を懸念して抵抗を控えることはある」と指摘。「今回のセクハラ行為の多くは第三者のいない状況で行われており、事前に警告や注意ができたとは言えない」とし、重過ぎる処分ではないと結論付けた。

 原告の男性2人の話 事実認定に一部不満がある。発言していないことを発言したと決めつけられていて納得できない。 

=== 引用 終わり === 

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