フレックス制の拡大案

 立春の東京下町は好く晴れています。今朝の日本経済電子版に次のような記事が掲載されておりました。いわゆる「残業代ゼロ」制度の導入案などが議論されている最中ということでもあり、労働時間を労働の基準に置いている労働基準法の考え方の見直し方針が根底にあるのかもしれません。

=== 日本経済新聞電子版 2月4日 ===

 厚生労働省は労働基準法の改正案に、出退勤の時間をずらせるフレックスタイム制の拡大を盛り込む。働く時間を1カ月単位ではなく、3カ月単位で調整できるようにする。3カ月の範囲で労働時間の帳尻が合えば、残業代は原則発生しない仕組みだ。ある月は多めに働き、翌月は働く時間を短くして家庭や趣味に時間を使うなど、柔軟に働ける。

 フレックスタイムを広げると、繁忙期の月に長時間労働が続くリスクがある。1カ月の労働時間が週換算で50時間を超えたときには残業代が発生する仕組みにする。企業が払うコストを増やすことで、働き過ぎになることを防ぐ。

 本人が働く時間を自由に決められる裁量労働制も対象を広げる。今のデザイナーや企画業務(浅草社労士による註釈:専門業務型及び企画業務型)に加えて、顧客の課題を解決する提案営業や、品質管理業務を加える。裁量労働制は残業代が事実上なくなるため、賃金カットに使われる恐れもある。「店頭販売やルートセールス等は対象業務となり得ない」と指針に明記することで、乱用を防ぐ方針だ。

=== 引用終わり ===

 1箇月などの一定期間(上限1箇月)の総労働時間を契約上定めておき、該当する従業員に毎日の始業時間及び終業時間を自主的に決定する権限を与えて勤務させるのが現行のフレックスタイム制の決まりです。

 その要件は、
(1)就業規則等で、始業及び終業の時刻を従業員の決定に委ねる旨の規定を設けておく。
(2)労使協定で以下の点を決めておく
 ① 対象者の範囲
 ② 1箇月以内の清算期間
 ③ 清算期間における総労働時間
 ④ 標準となる1日の労働時間

 以上の要件を満たせば、該当する従業員が選択するところにより、1週間又は1日の法定労働時間を超えて労働させても労基法違反とはならないという解釈が成り立ちます。

 ただし、清算期間の週平均労働時間の上限は、法定労働時間、通常は40時間ということになっているので、これを手がかりに上限を求めます。2月を除く1箇月を170時間とすることが論理的には可能になる思われます(40 ÷ 7 × 30 ≒ 171.428)。

 また、この清算期間における総労働時間をもとに④を求めると、約8時間30分になります。フレックスタイム制とは、始業及び終業の時刻を従業員の決定に委ねる仕組みであり、④はそもそも所定労働時間ではありません。しかし、ここは数字の魔術のようなものですが、8時間30分を週5日ずつ連続してゆくと、旗日がなければ週平均労働時間が40時間におさまらないことになります。

 フレックスタイム制導入のためには、就業規則に記載すること、労使協定の締結及びこれらの書類を所轄の監督署に届け出ることが必要です。また、フレックスタイム制度は、働く時間を対象従業員に委ねる制度であることから、本質的には「時間管理が自分でできる自律精紳の高い者」にのみ適用すべき制度です。

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