いわゆる「残業代ゼロ制度」に関する報道2

 8月18日付け日本経済新聞電子版に掲載された「伊藤忠など導入検討 労働時間規制の緩和制度」の記事は、この件に関する同紙の立場がくっきりと現れている点でも注目しました。政府が敢えて使用を控えていた「ホワイトカラー・エグゼンプション」という用語を明確に使っていることからして、この制度を肯定し、推進していこうとする立場が明確に読み取れます。

 記事の内容は、政府がホワイトカラー層の生産性向上のために、制度の導入に向けて平成27年(2015年)の法改正を目指しているいわゆる「残業代ゼロ制度」について、企業の側でも国が制度の詳細を詰めるのに合わせて準備を進めていることを伝えるものです。制度の導入については、賛否の議論が続き、制度導入に反対する識者もおられるのが現状ですが、大企業を中心とした経済界は既に導入の方向で動き出しています。記事の要点は以下の通りです。

1.「ホワイトカラー・エグゼンプション」は、政府の発表した成長戦略の目玉の一つであり、年収1千万円以上の高度な専門職を対象に、労働基準法で定められた1日8時間、週40時間の労働時間規制を外す制度です。厚生労働省の審議会で具体的な制度設計を議論しており、2015年の通常国会で労基法の改正案を提出し、16年春の施行を目指しています。

2.大企業の一部は、国の制度設計の完成を待たずに検討を始めています。早い段階で準備を進めることで、経団連などを通じて要望を制度設計に反映してもらう狙いがあるようです。

3.伊藤忠商事は、年収1千万円以上の総合職の大半をホワイトカラー・エグゼンプションの対象とすることを念頭に、導入を検討しています。商社の総合職の業務は新規ビジネスの発掘など高度な専門知識やスキルが求められる企画型の業務が中心であるとされています。

4.伊藤忠商事のほか、富士フイルムが幅広い職種について早期の導入を検討、HOYAが営業、企画、研究開発部門などの部門で、東芝及び日立製作所の重電2社も導入を検討中として、企業名が挙がっています。

5.タカラトミーのように、労働時間の長さよりもヒット商品の多さで評価できるため、おもちゃ開発担当に適した制度とみている企業もあります。時間によらない働き方になれば、勤務後に「映画鑑賞や流行の店を訪れるなど、顧客の動向を意識した仕事のやり方に変わる」と期待できるということです。

6.経団連の榊原定征会長は「幅広い人が対象になるよう今後も求めていく」方針。一方、労組側は、年2千時間を超える正社員の長時間労働が続く中で「規制を外すのはおかしい」(古賀伸明連合会長)と反発しており、制度の導入に反対の立場です。

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