財政検証結果発表とGPIF運用見直し

 5年に1度の財政検証の結果について記事(「財政検証の報道を受けて」)を投稿しましたが、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の基本ポートフォリオを見直しを早めるという報道が流れておりました。財政検証の結果公表を受けてのことと思われます。

=== Reuter 6月6日 ===

安倍首相、GPIF運用見直しの「前倒し指示」=政府筋

 安倍晋三首相が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資産運用見直しを前倒しするよう田村憲久厚生労働相に指示していたことがわかった。政府筋が明らかにした。これまでは年末に構成割合を決める方向だったが、今秋までを想定し、資産130兆円の「脱国債」に向けた姿を描く

 田村厚労相が6日の閣議後会見で明らかにする。厚労省が3日の社会保障審議会年金部会で示した公的年金の財政検証では、現役世代の手取り収入に対する厚生年金の給付水準(所得代替率)は次の検証時期となる2019年度までは目安の50%を維持できる見通し。

 これは賃金上昇率に最大1.7%を加えた運用利回りを確保すれば対応できる前提になっており、GPIFはこれらを踏まえて比率見直しの検討作業を急ぐ。

=== 引用終わり(下線及び太字は筆者) ===

 これは、大方の金融市場関係者の受止め方を踏襲した内容で、既に織り込まれつつあったことを公式に確認したということのようです。現在の公的年金制度を維持していくために考えなければならないことは、第一に持続的な経済成長を実現することですが、年金の元手として積み立てている年金資産の運用力を高めることも重要です。この点について、今回の財政検証の結果を踏まえ、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が資産構成比率が定められた基本ポートフォリオを見直すことは絶対に必要というコンセンサスができたということなのでしょう。

 現行では、国内債60%、国内株12%、外債11%、外株12%、短期資産5%となっています。ただし、アベノミクスによる株価の上昇及び米国株の好調等で、2013年末時点の実勢は国内債が55.2%と06年度の設立以降で最低となる一方、国内株は17.2%と07年12月末以来の高水準を記録、外債は10.6%、外株は15.2%という比率になっていました。安倍総理はデフレからの脱却を経済政策の第一の目標と明言し、日本銀行の黒田東彦総裁が2%の物価目標を掲げる中、国内債の大量保有は金利上昇で評価損を被る恐れのあることから、その比率引下げと収益向上のためのリスク資産の拡大を検討することは、我が国の経済政策とも方向性合致する筋の通った議論ということがいえます。

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