いわゆる「残業代ゼロ制度」に関する報道

 今朝のニュース報道で、大きく採り上げられていたのが、いわゆる「残業代ゼロ制度」に関する厚生労働省案です。新聞報道によれば、以下の通りでした。

=== 東京新聞記事_5月28日より ===

残業代ゼロ制度 高収入専門職に限定 厚労省案

 厚生労働省は27日、労働時間にかかわらず成果で給与を支払う「残業代ゼロ」制度について、為替のディーラーなど年収数千万円に上る高度な技能や能力を持つ専門職に限定して認める案をまとめた。残業代ゼロ制度は、政府の産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)が導入を目指している。同会議で民間議員を務める長谷川閑史(やすちか)経済同友会代表幹事(武田薬品工業社長)は、高度な専門職に加え、企業の研究開発部門などで働く管理職手前の「幹部候補」についても導入を求めている。これに対し、厚労省は「現在でも増加傾向にある長時間労働を、ますます助長しかねない」(幹部)として対象から外した。田村憲久厚労相が28日の同会議に示す。

 長谷川氏は同日の会議に新制度導入の対象からトラック運転手や工場作業員、店頭販売員や、経験の浅い若手職員などを外す修正案を提示する。長谷川氏の当初案が一般の社員も対象にしているのに対し、長時間働いても「残業代がゼロになる」との批判が出たため、範囲を狭めた。ただ、厚労省の案も長谷川氏の修正案も、範囲の定義があいまいになり、なし崩し的に対象が拡大する懸念は消えない。

 産業競争力会議は6月末に閣議決定する成長戦略に新制度の導入を盛り込みたい意向。対象となる労働者の範囲で厚労省と隔たりがあるため、調整が難航するとみられている。「残業代ゼロ」制度は、第一次安倍政権も「ホワイトカラー・エグゼンプション」として導入を図った。しかし、長時間労働や過労死を招くとして世論の強い反発を招き、断念した。

=== 引用終わり ===

 以前の記事雇用調整助成金から労働移動支援助成金へ?_3月24日でも触れましたが、現政権の労働政策には一貫した流れがあるように思えます。それは、経済のグローバル化が不可逆的な大きな潮流であるとの前提の下、労働市場の流動化、規制緩和を推し進める流れです。おそらく、労働市場を含むあらゆる分野の規制緩和又は自由化の推進こそが我が国の国際競争力を高め、成長力を維持する最善の方策であるとの思い込みがあるように推測されます。(1)毎年20万人の外国人労働者の受入れ検討、(2)法人税減税、(3)配偶者控除の見直し、そして、(4)「残業代ゼロ制度」の導入と見ていくと、その目指すところの方向性が見えてきます。

 問題は、これらの規制緩和政策が、より多くの国民の幸せにつながる政策なのか否かということです。拙速な規制緩和に走る前に、規制が維持されてきた分野で「なぜ件の規制が維持され、誰のどのような利益が守られてきたのか」、再確認してみる必要があるのではないでしょうか。

高度専門職:労働時間規制なし 毎日新聞記事_5月28日

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