年金特例水準の解消と厚生年金基金

1.厚生年金基金について

 厚生年金基金とは、歴史的には我が国の代表的な企業年金制度といっても過言ではなく、国が管掌している1階部分の基礎年金、2階部分の厚生年金の上の3階部分を構成する公的性格を有した年金制度として多くの企業等で広く実施されてきました。しかし、平成25年6月に国会で成立した公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律により、本年4月からは新設が禁止され、制度廃止に舵を切ったと認識されています。とはいえ、いまだに多くの年金受給者が厚生年金基金からの年金支給を受けています。厚生年金基金は、本来国が支給する公的年金を基金が代行する特殊な企業年金制度ですので、この4月からの「特例水準の解消」と絡めて、年金額の改定との関係を解説します。


2.厚生年金基金と年金額の改定

 そもそも、厚生年金基金から支給されている代行部分とは、簡単に理解するとすると同基金加入中の報酬比例部分のことですが、ここで重要な点は、国に代わって支給する老齢厚生年金の報酬比例部分のうち賃金の再評価分と物価スライド分を除いた部分ということです。ここから、基金代行分を計算する際の平均標準報酬月額及び平均標準報酬額は、再評価率を乗じていない生の標準報酬月額及び標準報酬額の平均値ということが言えます。さらに、物価スライド率を乗じることもありません。結論として、基金が支給する代行部分の年金額は裁定時に一定額に定まり、かつ、不変です。

 このことを前提に、今回の「特例水準の解消」による年金額の引下げからどのような影響を受けるのかを考えてみましょう。結論は単純で、通常の年の物価スライドによる改定と同様、代行部分からの支給額は裁定時のままで変更されないということです。そして、0.7%引下げの効果が全て国からの支給部分に反映されるように計算します。つまり、報酬比例部分80が基金から支給され、平均報酬額の再評価分及び物価スライドによる上昇分が20だとすると、国から支給される20の部分が大幅に減額され、19.3となるのです。ただ、全体で見ると、80に19.3を加えた99.3となり、0.7%の引下げということになるのです。

 それでは、稀にしかない場合と思われますが、国から支給される部分が全くない、又は0に近い金額であった場合どうなるのかということです。この場合であっても、基金代行部分の年金額が減額されることはありません。「基金が支給する代行部分の年金額は裁定時に一定額に定まり、かつ、不変」という原則の通りです。

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