平成26年4月からの年金制度改正点等

 消費税増税の実施がいよいよ来月に迫って来ました。「税と社会保障の一体改革」の名の下に進められてきた比較的大きな年金制度改革も徐々に実施されていきます(年金機能強化法と消費税引上げとの関係_2013年9月12日)。そこで、今後どのような改正が実施されようとしているのか、再度概観しておきたいと思います。


1.平成26年4月からの主な改正点

 今回の年金制度改正の根拠法となっているのは、(1)年金機能強化法、(2)被用者年金一元化法、(3)国民年金法一部改正法、及び(4)年金生活者支援給付金法です。

 まず(1)年金機能強化法によるものですが、①産休中の保険料免除があります。これは、育児休業中の保険料免除と同様であり、標準報酬月額改定に関する特例も含まれています。また、②父子家庭へ遺族基礎年金が支給されるようになります。亡くなった妻が夫の被扶養者で第3号被保険者であったとしても、遺族基礎年金は一律に支給されます。

 次に、(3)国民年金法一部改正法に基づく年金額特例水準の引下げも予定通り実施されます。少々難解な計算式に基づき、0.7%の引下げ幅になっています(平成26年度年金額及び保険料決まる_1月31日)。4月及び5月分の年金が実際に支給されるのは、6月13日です。このときに消費税が引上げられ、物価も上昇気味なのになぜ年金支給額だけが引下げられるのかとの混乱が生じないように、社労士を含む関係者による周知徹底の努力が望まれます。

 この他、注意すべき改正点として、以下に掲げる事項があります。

 ①未支給年金を受取れる遺族の範囲が亡くなった受給者と生計同一の3親等内の親族となり、これには子の配偶者、孫の配偶者、兄弟姉妹の配偶者、甥姪、伯父(叔父)及び伯母(叔母)等、かなり広範に含まれることになります。

 ②年金受給の繰下げについて、5年を経過して70歳を相当期間過ぎてから繰下げの請求をした場合であっても、5年を経過した日の属する月の翌月に遡って増額された年金額が支給されることになります。4月前までは、請求した月の翌月からしか支給されることはありませんでした。

 ③障害年金受給権者の障害の程度が増進した場合、その前の障害状態の確認から1年の待機期間を経た後でなければ年金額の改定請求ができなかったのですが、省令に定められた障害の程度が増進したことが明らかである場合には、1年を待たずに請求することができるようになります。

 ④国民年金の任意加入被保険者が保険料を納付しなかった期間についても、未納期間ではあるが、例外的に合算対象期間として受給資格期間に算入できることとします。


2.平成27年10月からの主な改正点

 (1)年金機能強化法によるものとして、老齢年金の受給資格期間の短縮が挙げられます。これまで25年とされた受給資格期間が10年に短縮される重要な改正になります。

 (2)被用者年金の一元化が、共済年金の厚生年金保険制度への統合という形で実施されます。

 (3)年金生活者支援給付金制度が創設され、所得税が一定基準を下回る年金受給者に給付金が支給されることになります。

 ただし、(1)及び(2)については、同時に実施される予定の消費税再引上げが前提条件になっており、今後の経済情勢次第で消費税増税が見送られた場合、施行が延期されることも予想しておくのが良いでしょう。


3.平成28年10月からの主な改正点

 (1)年金機能強化法による改正点の目玉の一つとして、パートタイマーへの厚生年金の適用拡大が図られています。現行の労働時間及び労働日数4分の3以上基準(短時間労働者への労働保険及び社会保険の適用_2010年6月3日)を見直し、新たに次のような要件を満たした者は必ず被保険者として厚生年金保険に加入させなければならないものとして、厚生年金保険の被保険者の裾野を拡げようとする目論見です。ただし、学生アルバイトは要件を満たしていたとしても除外できます。

 ①所定労働時間1週間当たり20時間以上
 ②1年以上継続して使用される見込みがあること
 ③報酬月額88000円以上
 ④従業員数501人以上の企業(当面の経過措置)

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コメント

介護保険料1.77%へ引上げ

介護保険料率も3月(4月納付)分から引上げ、健康保険保険料は据え置きみたいですね。
介護保険料:1.55%から1.72%へ

2014年03月10日 18:14 from ヨコテ URL

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