祇園暴走事故と使用者責任

 2月4日に、京都市祇園で平成24年(2012年)4月、軽ワゴン車が暴走し、通行人7人をはねて死亡させ、12人が重軽傷を負った事故で、亡くなった大阪府豊中市の女性(当時68歳)の夫(71)ら遺族3人が、車を運転していた呉服店従業員の男性(同30歳、死亡)の両親と同店に約6100万円の損害賠償を求めた訴訟で、京都地裁(上田賀代裁判官)は、両者に計約5200万円の支払いを命じる判決を言い渡したことが報道機関を通じて伝えられておりました。

 新聞等によれば、この事故の原因は、死亡した男性が持病のてんかん発作が起きた状態で軽ワゴン車を運転したことによるとされています。この点について、運転者男性の担当医による「てんかんの発作を起こした状態では自動車の運転は不可能」という見解が示され、運転者男性の家族も過去の発作は完全に意識を消失する発作であったことを証言していました。しかし、最終的に京都府警は、最初のタクシーとの衝突によって精神的に動転し、大和大路通を逃走中にてんかん発作を起こして暴走に至ったと判断し、運転者男性を容疑者死亡のまま検察へ書類送致しています。

 刑事責任については、男性が自動車運転過失致死傷容疑、呉服店社長は持病を知りながら運転させたとして業務上過失致死傷容疑で書類送検されましたが、京都地検は昨年8月、男を容疑者死亡で、社長を嫌疑不十分で、それぞれ不起訴にしています。

 今回判決のあった民事責任については、勤務中の事故だったことから呉服店には使用者責任に基づき、男性の両親には相続した賠償責任に基づき、逸失利益や慰謝料などの支払いを求め、昨年1月に遺族等が提訴。訴訟では、被告双方が事故の事実関係や責任をおおむね認め、慰謝料などの算定方法で争っていたとのことです。また、この事件などをきっかけに、持病を申告せずに免許を取得又は更新をして病気の発作によって重大事故が相次いでいることが問題視されるようになり、平成25年(2013年)6月14日、道路交通法が改正され、運転に支障のある者が免許取得又は更新時に虚偽申告を行った場合の罰則が設けられることになりました。

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