パートタイム労働法改正の動き

1.法改正の動きについての新聞報道

 1月5日の日本経済新聞電子版は、パートタイム労働法改正の動きとして、「パート、有期雇用も同待遇 正社員と同じ仕事なら 厚労省方針、1月にも改正案」という記事を掲載しておりました。この記事で述べられていることの趣旨は、以下の通りです。

(1)厚生労働省は雇用期間に限りのある有期契約のパート労働者も、正社員と同じ仕事をしている場合は、賃金などの待遇面を正社員と同等にするよう法改正する。

(2)現行のパートタイム労働法では、①正社員と仕事内容や責任が同じ、②人事異動がある、③契約期間が無期――の3要件を満たすパート従業員について、賃金などの待遇面で正社員と差別してはならないと定めてある。今回の改正では③の要件をなくす。

(3)法改正で、正社員並みの待遇を受けられるパート労働者は現在の約17万人(全体の1.3%)から10万人程度増える見通し。ボーナスや手当も正社員並みになり、福利厚生施設の利用や研修も正社員と同じように受けられるようになる。


2.平成24年 労働政策審議会建議書

 この新聞報道が伝える法改正の動きは、平成24年6月、当時の民主党政権下で厚生労働省が公表した労働政策審議会(会長 諏訪康雄 法政大学大学院教授)による今後のパートタイム労働対策についての建議をを踏まえた内容になっているようです。同建議の趣旨は以下の通りです。

(1)パートタイム労働の環境整備の必要性を認め、パートタイム労働者の均等待遇の確保を一層促進していく。

(2)パートタイム労働法8条について、3要件のうち無期労働契約要件を削除するとともに、職務の内容、人材活用の仕組み、その他の事情を考慮して不合理な相違は認められないとする法制を採ること。

(3)職務内容が通常の労働者と同一であって、人材活用の仕組が通常の労働者と少なくとも一定期間同一であるパートタイム労働者について、当該一定期間は、通常の労働者と同一の方法により賃金を決定するように努めるものとされている同法9条2項を削除すること。(→(2)との関連で、8条通常の労働者と同視すべき短時間労働者に含めていこうということ)

(4)通勤手当を均等確保努力義務の対象外とすることをは適当でない旨明示すること。

(参考)短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律

(通常の労働者と同視すべき短時間労働者に対する差別的取扱いの禁止)(追加)平19法072
第8条 事業主は、業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という。)が当該事業所に雇用される通常の労働者と同一の短時間労働者(以下「職務内容同一短時間労働者」という。)であって、当該事業主と期間の定めのない労働契約を締結しているもののうち、当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されると見込まれるもの(以下「通常の労働者と同視すべき短時間労働者」という。)については、短時間労働者であることを理由として、賃金の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、差別的取扱いをしてはならない。 

2 前項の期間の定めのない労働契約には、反復して更新されることによって期間の定めのない労働契約と同視することが社会通念上相当と認められる期間の定めのある労働契約を含むものとする。

(賃 金)(追加)平19法072
第9条 事業主は、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、その雇用する短時間労働者(通常の労働者と同視すべき短時間労働者を除く。次条第2項及び第11条において同じ。)の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験等を勘案し、その賃金(通勤手当、退職手当その他の厚生労働省令で定めるものを除く。次項において同じ。)を決定するように努めるものとする。

2 事業主は、前項の規定にかかわらず、職務内容同一短時間労働者(通常の労働者と同視すべき短時間労働者を除く。次条第1項において同じ。)であって、当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該事業主に雇用される期間のうちの少なくとも一定の期間において、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されると見込まれるものについては、当該変更が行われる期間においては、通常の労働者と同一の方法により賃金を決定するように努めるものとする。


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