特例水準の年金額解消の先にあるもの

 前回記事(特例水準の年金額引下げ(平成25年10月))の続きです。特例水準の年金額の解消は、今後の物価動向が政府の目指しているようなインフレ傾向にならなくても、平成26年4月に1%、10月に0.5%、それぞれ引下げられることで強制的に実施されることになっています(年金額特例水準引下げについて_2012年11月11日)。

 そうすると、物価水準が現在のような状態で推移していくと、来年の10月の年金額は、老齢基礎年金を例に取ると、およそ次のような額になります。

 物価スライド特例水準の年金額 ≒ 804200円 × 0.954
 0.954 ≒ (平成11年以後の平成17年度までの物価スライド率0.985)×(1-0.004)×(1-0.003)×(1-0.01)×(1-0.015) ≒ 0.954

 804200円 × 0.954 ≒ 767200

 さて、話はここで終わりではありません。平成26年10月をもって特例水準はめでたく(?)解消となるのですが、この間は「物価スライド特例措置」なるものが有効であったため、本来の年金額よりもかなり多目の年金額が支給されてきていたのです。しかし、この特例水準の解消は、平成17年から施行されなければならないはずだった「マクロ経済スライド」が初めて顕在化してくることを意味します。マクロ経済スライドとは何かとというと、従来からあった年金額改定の仕組みが賃金及び物価増減率のみを考慮していたのに対し、マクロ経済スライドではこれらに加えて、労働力人口(被保険者数)の減少及び平均余命の伸びをも考慮に入れて、平成35年度末まで年金額の上昇を抑制する仕組みです。

 つまり、少なくとも今後10年間は、賃金及び物価の上昇率を労働力人口の減少及び平均余命の伸びで値切った末に出てきた改定率Aが採用され、総年金支給額の増加抑制が実施されることを意味します。老齢基礎年金を例に話をすると、年金額は次の式で決定するとされています。

 780900円 × 改定率A

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