コンビニと珈琲

 最近、業界トップのコンビニエンス・ストアが新サーヴィスを始めたようです。といっても、店頭で淹れたて珈琲を売る古くて新しいサーヴィスで、ニューヨーク周辺にあった同名のコンビにでは大昔から手がけていたサーヴィスのようです。ところが、この淹れたて珈琲、確か100円という格安価格と気軽さが受けたのか、予想以上の売上げを示しているそうです(コンビニコーヒーはCVS競争の新ステージの幕開け)。

 コンビニエンス・ストア(以下コンビニという)は、日本では昭和48年(1973年)にセブン・イレブン1号店が営業を開始したときに始まり、今日では日本人の生活を変えたと言われるほどの存在感を持つようになりました。単に生活という漠然としたものにとどまらず、我が国の労働市場や働き方にも直接又は間接に影響を及ぼしているものと思われます。例えば、前述の珈琲がよい例ですが、喫茶店で出るような珈琲が100円で飲めるということになれば、新型の珈琲店やファースト・フード店からの挑戦で既に経営が厳しくなっている従来型の喫茶店にとって、益々商売がしづらくなる原因がまた一つ加わることになります。

 そのような観点からコンビニの業務内容を見て行くと、雑誌や新聞などはコンビニで購入できるので、書店や新聞配達業者にとっては、かつての独占的な市場を一定程度奪われることを意味します。また、興味深いのは、公共料金の受取り代行サーヴィスやATMの設置に見られる金融サーヴィスです。これらのサーヴィスは、従来銀行又は郵便局で働く比較的高い賃金の労働者又は準公務員によって提供されていたものですが、その一部が時給の比較的安いアルバイト店員やパート店員によって代替されたことを意味し、金融業界にとっては、コンビニに代替された労働力は過剰労働力として、整理・削減する道が開けます。そこで、次のような仮説がなりたちます。すなわち、コンビニの普及は、私達の生活を大いに便利なものにすることに貢献しましたが、その一方で、これまで成り立っていたビジネスに負の影響を及ぼし、それらの業種に携わっていた人々の雇用をじわじわと奪ってきたのではないかと言うことです。

 コンビ二店のパートの時給は、東京都心でもせいぜい1000円を超える程度です(2013年9月現在)。コンビニは、デフレの中で育ち、さらにデフレの深刻化に貢献したと言えるのではないでしょうか。

 コンビニと同じような意味でのデフレ的な体質で思い浮かぶのがスマートフォン(以下スマホという)です。スマホの登場とその機能の進化は、瞬く間にデジカメ市場、ゲーム機市場及び新聞・雑誌市場などを侵しているように見えます。新聞・雑誌などは、類似の情報をスマホを通じて収集することが可能になったことで、購読する者は若者を中心に減少することが予想される上に、紙の製品そのものもコンビニで気軽に買えるようになったわけですから、書店や新聞販売店の商売のやりにくさは、洒落にならないところまで来ているのではないでしょうか。

 コンビニの新サーヴィスは、そんなことを考えさせてくれたのですが、そもそもコンビニとはどのような業界なのか、数回に分けて学んでみたいと思います。

上野池之端Lotus(2013年)

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