元大関解雇無効訴訟の結末など

 2010年に角界の野球賭博事件に関係して解雇処分とされた元大関が、処分は不当として、財団法人日本相撲協会に対し解雇の撤回を求める仮処分を東京地裁に申請した事案を以前に取り上げました(琴光喜解雇問題_2010年9月14日)。その判決が12日に東京地裁から出されていました。判決の内容は、大関としての地位確認などを求めた請求に対し、「大関の社会的影響の大きさに照らせば解雇は相当」とした請求棄却の判決でした。

 今年3月、東京地裁が「八百長行為を認める十分な証拠はない」などとして処分無効と判断した蒼国来関の場合とは異なり、自主申告に応じたとはいえ、調査当初から関与を疑っていた協会側の聴取に対し元大関が虚偽の供述をしていたこと、「相撲道を体現し他の力士の模範となるべき大関が犯罪行為に参加したことは看過できない」ことが請求棄却判決の根拠に挙げられています。しかし、「就業規則処分の原則」及び「就業規則該当の原則」についてはどうだったのか、記事から読み取ることはできませんでした。なお、NHKの伝えるところによると、琴光喜側は控訴する方針とのことでした。

 元琴光喜の解雇「相当」 大相撲野球賭博 東京地裁(2013年9月12日 産経)


 もう一つ、角界関連の驚きニュースは、元大関把瑠都の早すぎる引退でした。古傷の膝の故障が再発したためということですが、この負傷、別に遊びに行って転んだというようなものではなくて、相撲をとっている最中に被ったものに違いありません。こういう場合に労災保険の適用があるのか、職業柄興味がわいて調べて見ましたが、いま一つよくわかりませんでした。社会保険については、日本相撲協会が財団法人格ですので社会保険が通常の会社のように適用されています。財団法人日本相撲協会寄附行為施行細則によると力士なども健康保険組合及び厚生年金保険に加入しているようです。

 ただ、力士の労働者性について、これまではっきりと明示した判例はないようです。部屋住みの力士はプロ野球選手などと同様に独立した事業者であり、労働者性は認められないと書いているものも見かけます。しかし、協会からその地位に応じた月給及び手当てが支給され、賞与や退職金制度まである力士の処遇を見ると、形式的には日本相撲協会と雇用契約を締結した労働者であるかのようにも見えます。だとすれば、労働基準法及び労災保険の対象になるものと考えるのが自然です。

上野池之端Lotus(2013年)

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