年金の併給について(遺族年金2)

3.旧厚生年金保険又は旧国民年金の老齢年金との併給

 昭和61年改正前の旧厚生年金保険の遺族年金が支給されている受給権者が新たに老齢基礎年金又は老齢厚生年金の受給資格を取得する場合について、年金の併給について(老齢年金)_7月25日で次のように解説しています。「この場合も、65歳以降は老齢基礎年金と旧厚年の遺族年金は併給になります。また、旧厚生の遺族年金>老齢厚生年金のとき、非課税で有利な遺族年金を選択することが可能です。従って、その場合には老齢基礎年金と旧厚年の遺族年金の組合せになります。」

 それでは、旧厚生年金保険の老齢年金(もしくは通算老齢年金)、又は旧国民年金の老齢年金(もしくは通算老齢年金)を受給されている方が遺族厚生年金を受けられるようになった場合はどうなるのかというお話です。ここでも「支給事由の異なる2以上の年金は、いずれか1つを選択しなければならない。」という大原則は、押さえておきます。ただし、65歳以降の例外がここでもありますので、注意しなければなりません。

 まず、65歳以降の遺族厚生年金及び旧厚生年金保険の老齢年金(もしくは通算老齢年金)の受給資格を有するときは、遺族厚生年金及び{旧厚生年金保険の老齢年金(もしくは通算老齢年金)}×1/2の併給ができることになっています。

 次に、遺族厚生年金及び旧国民年金の老齢年金(もしくは通算老齢年金)を受給資格を有するときですが、このときは遺族厚生年金及び旧国民年金の老齢年金(もしくは通算老齢年金)の併給ができます。いずれの場合も、65歳以降の例外措置であることは、これまでもくり返し述べてきたとおりです。


4.遺族厚生年金及び遺族共済年金は長短期の場合分けが必要

 遺族厚生年金と遺族共済年金には、加入期間が300月あったものとみなして年金額を計算する短期の支給要件と、老齢年金又は退職年金が受けられる期間を満たしている長期の支給要件があります。このどちらに該当しているかによって、選択又は併給が次のようになってきます。

(1)遺族厚生年金(短期)及び遺族共済年金(短期)

 具体的には、共済組合から障害給付を受けられている受給権者が、厚生年金保険加入中に亡くなるような場合が想定されます。この場合、大原則どおりどちらか1つを選択します。

(2)遺族厚生年金(短期)及び遺族共済年金(長期)

 具体的には、共済組合から退職給付を受けられる受給権者が、厚生年金保険加入中に亡くなるような場合が想定されます。この場合、大原則どおりどちらか1つを選択します。これは、制度上何かと有利なのが共済年金ですが、共済だけ見たときの加入期間が300月より相当短い場合など、遺族厚生年金を選択する方が有利な場面が想定できるからと思料します。

(3)遺族厚生年金(長期)及び遺族共済年金(短期)

 具体的には、老齢厚生年金の受給権者又は受給資格者が、共済組合等加入中に亡くなるような場合が想定されます。この場合、例外的に遺族共済年金のみの支給となります。これは、厚生年金加入期間が25年以上あり、平均標準報酬も高い人にとって、不利なのではないかと思ってしまいます。確かに制度上遺族共済年金の方が有利な点は多いのですが...。

(4)遺族厚生年金(長期)及び遺族共済年金(長期)

 具体的には、老齢厚生年金及び退職共済年金の受給権者が亡くなるような場合が想定されます。この場合、例外的に遺族厚生年金及び遺族共済年金の併給となります。


5.労働保険等との調整

 労働者災害補償保険法(労災法)により支給される給付と遺族基礎年金及び遺族厚生年金は併給されますが、遺族基礎年金又は遺族厚生年金が支給されている場合、労災法上の遺族(補償)給付は、一定の調整率を乗じて減額された額が支給されます。調整率は次のとおりです。

 遺族基礎年金 + 遺族(補償)年金×0.88
 遺族厚生年金 + 遺族(補償)年金×0.84
 遺族基礎年金+遺族厚生年金 + 遺族(補償)年金×0.80

 また、労働基準法による遺族補償を受けるときは、遺族基礎年金及び遺族厚生年金は6年間支給停止になります。

春の隅田川

コメント

非公開コメント

トラックバック

http://yokoteoffice.blog130.fc2.com/tb.php/320-825d0170