傷病手当金_支給要件

1.傷病手当金とは

 健康保険法に規定された現金給付で、私傷病で欠勤し、労務不能により報酬が支払われない場合、安心して療養に専念できるように賃金の一部に相当する現金を支給する制度です。似たような名称で、傷病手当といわれるものがあります。これは、雇用保険法上の保険給付です。すなわちハローワークで基本手当を受給中の者が、傷病により、求職活動できない場合に、基本手当に代わって支給されるのが傷病手当です。


2.支給の要件

(1)療養のため労務に服することができないこと

 ここでいう療養とは、健康保険法の「療養の給付」の療養に限らず、自費診療、自宅療養なども含まれます。また、労務不能であるか否かは、その被保険者の従事する業務の種別を考え、その本来の業務に従事できるかどうかを標準として社会通念に基いて保険者が判断します。

 なお、資格喪失後の傷病手当金を受ける場合、事業場で従事していた当時の労務に服することができるか否かで認定されます。

(2)労務不能となった日から継続して3日間の労務不能期間(待期)を満たしていること

 この3日間には、土曜日、日曜日、祝日を含んでいても要件を満たします。また、平日3日間の待期が全て有給休暇であっても傷病により労務不能の状態にあれば、この受給要件を満たします。

 傷病で労務不能となり就業時間内に早退した場合は、その日から起算して3日間で待期は完成します。また、就業時間後傷病で労務不能となった場合は、翌日から起算して3日間です。

 なお、この傷病による労務不能の日は医師による証明が必要です。従って、傷病手当金の受給のためには、通院または入院が必要になります。

(3)待期後、同一傷病での労務不能により、報酬の支払がない日があること

 報酬が支払われている限り、支給が停止されます。つまり、要件を満たさずに権利がなくなるということではないので、報酬が支払われた場合でも支払われた報酬の1日当たりの額が傷病手当金の1日当たりの支給額より少なければ、その差額が支給されます。

(4)健康保険、即ち協会健保又は健康保険組合の組合員であること

 健康保険の被扶養者には、傷病手当金は支給されません。また、国民健康保険の被保険者、任意継続被保険者(資格喪失後の継続給付受給中の方は除く)にも傷病手当金は支給されません。


3.傷病手当金の支給額

 労務不能1日につき、標準報酬日額の3分の2(月給日額の約66%)の金額が支給されます。標準報酬日額とは、標準報酬月額の30分の一に相当する額で、その額に5円未満の端数があるときにはこれを切り捨て、5円以上10円未満の端数があるときにはこれを10円に切り上げた金額です。

標準報酬日額≒標準報酬月額÷30

 ちなみに、傷病手当金の考え方は、支給開始日から最長1年6箇月に支払われるべき給付額を塊として見るではなく、1日ごとに見ています。従って、時効の2年についても、傷病手当金が発生した各日から2年経過するごとに1日分が消滅すると考えます。


4.傷病手当金の支給期間

 支給開始日から起算して、最長1年6箇月です。報酬の全部又は一部が支払われていて、傷病手当金が支給停止状態にになっている場合でも、停止された日から起算します。

 同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病の場合は、完治しない場合は1年6ヶ月が限度ですので、それ以降傷病手当金は支給されません。支給を受けた病気と関連のない病気及び負傷の場合又は以前の病気が完治(社会的治癒を含む)し、その後再発した場合には支給されます。この場合、新たな待期が受給要件となります。

 「社会的治癒」とは、同じ病気であって一定期間薬を飲んでいないとか、病院に通院していない場合に病気が治癒したものと扱うことです。厚生労働省の通達では、「社会的治癒とは、医療を行う必要がなくなり、社会的に復帰している状態をいう。薬治下又は療養所内にいるときは、一般社会における労働に従事している場合でも社会的治癒とは認められない」ことになっています。結核、糖尿病では「3年くらい」薬を飲んでいない、通院、入院していないことが必要です。

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