年金の併給について(老齢年金)

1.年金併給に関する大原則

 年金の併給問題について、数回に分けて解説します。今回は、老齢年金の受給権者が支給事由の異なる他の年金の受給権を取得した場合について考えます。

 まず、大原則を押さえておきたいと思います。「支給事由の異なる2以上の年金は、いずれか1つを選択しなければならない。」ことになっています。この大原則は、60歳以前に「障害基礎年金又は障害厚生年金」を受けてきた受給権者が60歳になって特別支給の老齢厚生年金を受けられるようになったときにも生きていて、65歳までは併給は認められず、どちらか1つを選択することになっています。


2.年金併給に関する例外

 原則に対して、例外が存在するのが一般的です。例外の1、というよりもこれは大原則から必然的に導き出せる結論ですが、老齢基礎年金と老齢厚生年金(退職共済年金)、障害基礎年金と障害厚生年金(障害共済年金)、及び遺族基礎年金と遺族厚生年金(遺族共済年金)のように同じ事由で支給される1階部分と2階部分の年金は、併せて1つの年金とみなされ、当然のように併給となります。

 次に、例外の2です。ここからは、65歳以上の年金支給を念頭に話を進めます。老齢基礎年金又は老齢厚生年金を支給されている受給権者が新たに遺族厚生年金の受給資格を取得する場合は、頻繁に起こりうる事例です。この場合、老齢基礎年金と遺族厚生年金は併給となります。しかし、ここに自身の老齢厚生年金が絡んでくると話が複雑化します。この場合、まず自身の老齢厚生年金を満額受給することになります。そして、遺族厚生年金>老齢厚生年金のとき、遺族厚生年金が老齢厚生年金を上回る部分についてだけ遺族厚生年金が上乗せされて支給されます。この仕組みは、平成19年4月1日以降発生した遺族厚生年金の受給権者について適用される仕組みで、平成19年3月31日以前に65歳以上に達しており(昭和17年4月1日以前生まれ)、既に遺族厚生年金の受給権が発生している配偶者については、遺族厚生年金>老齢厚生年金のとき、非課税で有利な遺族厚生年金のみを選択することが可能でした。

 ここで注意すべきは、老齢基礎年金を繰上げて受給している受給権者です。遺族厚生年金等との組み合わせでは、60歳到達前から遺族年金を受給している場合と60歳到達後遺族年金の受給資格が生じる場合の2つが考えられます。上記の併給はあくまでも65歳以上の話ですので、いずれの場合も65歳に到達するまでは、遺族年金が停止されることになります。

 例外の3は、老齢基礎年金又は老齢厚生年金の受給権者が障害基礎年金又は障害厚生年金の受給資格を取得する場合です(どちらかといえば、障害年金の受給資格の方が先行する場合が多いと思われます。)。この場合も、65歳以上ならば、老齢基礎年金と老齢厚生年金、障害基礎年金と障害厚生年金、又は障害基礎年金と老齢厚生年金の併給選択が可能です。年金額が同じならば、非課税の障害年金の方が有利ですので、1階部分には障害年金を持ってくるのが通常考えられる選択でしょう。

 例外の4は、昭和61年改正前の旧厚生年金保険の遺族年金が支給されている受給権者が新たに老齢基礎年金又は老齢厚生年金の受給資格を取得する場合です。この場合も、65歳以降は老齢基礎年金と旧厚年の遺族年金は併給になります。また、旧厚生の遺族年金>老齢厚生年金のとき、非課税で有利な遺族年金を選択することが可能です。従って、その場合には老齢基礎年金と旧厚年の遺族年金の組合せになります。また、課税まで考慮して旧厚生の遺族年金<老齢厚生年金の場合には、老齢基礎年金及び老齢厚生年金の組合せになります。

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コメント

うちのおかん

こんにちは。遅いコメントですみません。
うちの母が、先生のおっしゃる例外の4になっていることがわかりまして、なんでかなーと思って情報を探していたらこちらにたどりつきました。
今70歳ですが、旧法の時代に夫(私の父)と死別、その後ほとんどの人生を働いてきました。はじめは近所の商店でしたが、何度かの転職を経て厚生年金適用事業所に移り、15年から20年くらい勤めました。けっこう保険料を払っており、それでもらえるはずだった年金も馬鹿にできない額なのですが、遺族年金と併給できず、まるまる支給停止になっています。
遺族年金が遺族厚生年金であれば、差額支給になるとのことですが、同じように自分で働いて(しかも私たち子供がいたので働かざるを得ず)保険料もしっかり払ったのに、これでは掛け捨てと同じで、どうしてそういう制度になっているのかわかりません(泣)
母は年金事務所にも相談に行ったそうですが、そういう規則だからという説明一点張りだったそうです。
どうしてなんでしょう?

2014年06月01日 20:44 from フリスキー URL

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