第3号被保険者記録不整合問題決着へ

 「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律」が6月19日、参院本会議で自民、民主両党などの賛成多数で可決、成立したことは、以前の記事で紹介しました(厚年基金問題及び第3号記録不整合問題への対処法案成立_6月20日)。第3号被保険者の記録不整合の問題は、一昨年の年初あたりから大手新聞でも採り上げられ、社会問題となったことは(国民年金第3号被保険者の未納問題_2011年2月7日)、いまだ記憶に新しいことと思います。今回成立した改正国民年金法は、この問題に対処していることが最も重要な改正点の一つになっています。今月から動き出している改正法に基づいた記録整備作業について、どのような考え方を採っているのか要点を以下にまとめてみました。


1.公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行されるもの

(1)第3号被保険者であった者からの届出

 第3号被保険者であった者は、第2号被保険者の被扶養配偶者でなくなったことについて、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならないものとすること(第12条の2第1項関係)。


2.平成25年7月1日から施行されるもの

(2)共済組合等又は健康保険組合に対する資料の提供請求

 厚生労働大臣は、共済組合等又は健康保険組合に対し、国家公務員共済組合法等の短期給付に関する規定の適用を受ける組合員等又は健康保険組合の被保険者の氏名及び住所その他の事項につき、必要な資料の提供等を求めることができるものとすること(第108条第1項関係)。

⇒これまでは協会けんぽ以外の健康保険については、被扶養配偶者の情報が取れていなかったということです。

(3)共済組合等からの情報の提供

 共済組合等は、厚生労働大臣に対し、その組合員又は加入者が第2号被保険者でなくなったことに関して必要な情報の提供を行うものとすること(第108条の2の2関係)。

(4)第3号被保険者としての被保険者期間の特例

 「不整合期間」を有する者は、厚生労働大臣に対し、その不整合期間のうち当該訂正がなされたときにおいて保険料を徴収する権利が時効により消滅している期間(以下「時効消滅不整合期間」という。)について届出を行うことができるものとすること。
⇒「不整合期間」の定義:昭和61年4月から平成25年6月までの間にある第3号被保険者期間のうち、第1号被保険者期間として記録の訂正がなされた期間

 この場合において、届出の日以後、当該届出に係る時効消滅不整合期間(以下「特定期間」という。)を老齢基礎年金等の受給資格期間に算入できる期間とみなすものとすること(附則第9条の4の2関係)(註)。

⇒時効のため本来ならば未納となる不整合期間の合算対象期間化といえます。

(5)特定保険料の納付

 特定期間を有する者は、平成27年4月1日から平成30年3月31日までの間において、厚生労働大臣の承認を受け、当該特定期間のうち、50歳以上60歳未満の期間(60歳未満の者である場合には、承認の日の属する月前10年以内の期間)について、特定保険料(各月の保険料に相当する額に政令で定める額を加算した額のうち最も高い額(承認の日の属する月前10年以内の期間にあっては、当該加算した額)をいう。以下同じ。)の納付を可能とするものとすること(附則第9条の4の3関係)。

⇒さらに50歳から60歳の10年に限り、後納類似の救済的納付を可能にしています。

(6)特定受給者の老齢基礎年金等の特例

 平成25年7月1日において時効消滅不整合期間となった期間が第3号被保険者期間であるものとして老齢基礎年金等を受給している者(以下「特定受給者」という。)については、平成30年3月までの間、当該時効消滅不整合期間を保険料納付済期間とみなすものとすること(附則第9条の4の4関係)。

⇒年金受給者の処遇については、減額、遡及的減額も検討の俎上に上せられたはずですが、年金受給者に甘い結論になりました。

(7)平成30年4月以後の特定受給者の老齢基礎年金の額

 特定受給者に支給する平成30年4月以後の月分の老齢基礎年金の額については、訂正後年金額(国民年金法第27条の規定等に基づき計算される老齢基礎年金の額をいう。)が減額下限額(不整合期間を保険料納付済期間とみなして国民年金法第27条の規定等に基づき計算される老齢基礎年金の額の100分の90に相当する額をいう。)に満たないときは、減額下限額とするものとすること(附則第9条の4の5関係)。

(8)不整合期間を有する者の障害基礎年金等に係る特例

 平成25年7月1日において不整合期間であった期間が第3号被保険者期間であるものとして障害基礎年金又は遺族基礎年金等を受給している者について、当該不整合期間を保険料納付済期間とみなすものとすること(附則第9条の4の6関係)。

(註)国民年金法附則第9条の4の2第1項の規定による時効消滅不整合期間についての届出は、氏名、性別、生年月日、住所、基礎年金番号、時効消滅不整合期間等を記載した届書に、国民年金手帳等を添えて、日本年金機構に提出することにより行う。

IMG_0016_convert_20130707173416.jpg

コメント

非公開コメント

トラックバック

http://yokoteoffice.blog130.fc2.com/tb.php/316-afca3e14