継続事業の一括

1.制度の概要

 さて、昨日の「社会保険の一括適用」に引続き、今日は労働保険の「継続事業の一括」についてまとめてみます。労働保険の保険関係についても個々の適用事業単位に成立するのが原則ですから、一つの会社でも支店や営業所等ごとに数個の保険関係が成立することになります。

 しかし、事業経営の合理化、とりわけコンピュータの導入による事務処理の普及等により、賃金計算等の事務を集中管理する事業所が増加していることから、事業主及び政府の事務処理の便宜と簡素化を図るため、一定の要件を満たす継続事業については、政府が指定した一つの事業(指定事業といいます)で、支店や営業所等をまとめて労働保険料の申告納付ができることを「継続事業の一括」と呼んでいます(徴収法9条)。この、継続事業の一括を受けるためには、都道府県労働基準局長を経由して厚生労働大臣の認可が必要です。

 ただし、「継続事業の一括」取扱いは、労働保険料の申告納付の便宜と簡素化を図るための手続ですから、認可を受けた場合であっても、被一括事業の労災保険給付の事務や雇用保険の被保険者の資格に関する事務等は、その労働者の属する事業所の労働基準監督署長又は公共職業安定所長が行うことになります。とりわけ労災の給付申請については一括の効果は一切及びませんが、雇用保険については、被一括事業に総務機能がない場合にそこを管轄する公共職業安定所に非該当承認申請書を提出することによって、指定事業がその指定事業を管轄する公共職業安定所で雇用保険の手続事務を行うことができるようになります。


2.「継続事業の一括」の要件及び効果

 「継続事業の一括」の要件は、次に掲げるとおりです。

(1)本社等と支店、営業所などの出先事業場の事業主が同一であること。また「事業の種類」が同じであること。
(2)それぞれの事業が、継続事業で保険関係が成立していること。
(3)それぞれの事業の保険関係区分(労災・雇用保険の一元適用事業等の区分)が同一であること(註)。
(4)本社等において、支店、営業所など出先事業場の労働者数・賃金の明細の把握ができること。

 「継続事業の一括」が認可されると、全ての労働者は指定事業に使用される労働者とみなされます。従って、指定事業以外の事業の保険関係は消滅します。そこで、指定事業以外の事業の保険関係消滅に伴う労働保険料確定精算の手続を行います。一方、指定事業は被一括事業の分の事業規模が拡大することになります。これによって増加概算保険料の納付要件に該当することになる場合には、増加概算保険料を納付する手続を行います。

(註)一元適用事業であって労災保険に係る保険関係のみが成立している場合は一括できません。


3.「継続事業の一括」の申請手続き等

 支店又は営業所等の新設又は追加の場合の手続は以下のとおりです。

(1)支店又は営業所等を管轄する労働基準監督署に労働保険の保険関係成立届「様式第1号」(第4条関係)を提出し、窓口で徴収法9条に基づく継続事業一括申請する予定である旨申し出ます。 そのうち1部は、事業主控として、労働保険番号を付与して返されます。
(2)つぎに(1)の内容を記入した継続事業一括申請書「様式第5号」(第10条関係)を指定事業(本社等)を管轄する労働基準監督署に提出します。そのうち1部は、事業主控として返されます。なお、新規が2件以上の場合は、継続事業一括申請書の続紙「適用事務様式34」を使用することになります。

 支店又は営業所等の名称、所在地が変更になった場合、継続事業一括事業名称、所在地変更届「様式第5号」(新規の申請(2)の継続事業一括申請書と共通様式)を指定事業(本社等)を管轄する労働基準監督署に提出します。

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