個別労働紛争解決のためのADR

特定社労士というのは、社会保険労務士法第13条の3第1項の紛争手続代理業務に関する研修を修了し、試験に合格した社労士です。そこで、この紛争代理業務が実際には、どのような仕組み又は制度で行われているのか、少し整理してみることにしました。

社会保険労務士が紛争代理業務を行うことができる紛争解決の仕組み又は制度については、社会保険労務士法第2条第1項に列挙されています。

1項の4:
 個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第6条第1項の紛争調整委員会における斡旋手続
 男女雇用機会均等法第18条第1項の調停手続き
 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律第12条第1項の調停手続き

個別労働関係紛争では、一方の当事者は「個々の労働者」に限られ、労働組合又は遺族が当事者となることはできません。また、労働基準監督署のが扱う行政固有の問題も斡旋制度では、扱えないことになっています。

男女雇用機会均等法を根拠とする調停制度は、性別に依る差別、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い、セクハラ防止措置義務違反などに関する労使間の問題について都道府県の労働局が用意しています。


1項の5:
 地方自治法第180条の2の規定に基づく都道府県知事の委託を受けて都道府県労働委員会が行う個別労働関係紛争に関する斡旋手続き

東京都の場合、労働委員会ではなく、労働相談情報センターが都内6箇所の事務所で労働紛争の相談及び斡旋を行っています。


1項の6:
 紛争目的の価額が60万円以下の個別労働紛争に関する民間紛争解決手続き(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律第2条第1号に規定する民間紛争解決手続き)

民間ADRと称されるもので、全国社労士連合会又は都道府県会が開設する「社労士会労働紛争解決センター」です。各社会保険労務士会は、総合労働相談所を開設し、無料の労働相談に応じていますが、上記民間ADRへ斡旋申し立てをした場合、3150円の手数料が経費の一部として徴収されることになります。


なお、社労士法第2条第3項は、紛争解決手続代理業務に以下のような事務も含まれるとされています。

1号:斡旋手続き及び調停手続きなどの紛争解決手続きについての相談に応じること
2号:紛争解決手続きの開始から終了に至るまでの間和解の交渉を行うこと
3号:紛争解決手続きにより成立した和解における合意を内容とする契約を締結すること

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