「国家の品格」を読んで

 日曜日に、新大河ドラマ「八重の桜」第1話を見ていたところ、幕末の会津藩の絶対的佐幕を定めた家訓と士族の子供たちに教えられていた「什の掟」が紹介されていました。 

 偶然にも正月休みに読みました藤原正彦氏の「国家の品格」という本にも冒頭でこの会津藩の「什の掟」なるものが紹介されていて、什の掟なるものは「ならぬことはならぬものです」と結ばれています。要は「問答無用」、理屈ではないのだといって「価値観の押付け」宣言をしているのです。藤原氏は、全てを論理で説明することはできないことを認め、だからこそ子供たちの教育においては価値観の押付けを行っている什の掟の考え方を肯定し、論理万能主義の近代西欧思想の考え方に疑問を呈し、一旦は世界を制覇したかに見えた論理万能主義の限界又は弱点について語って行きます。

 「国家の品格」は、2005年に刊行された新書版の本で、当時は結構話題になったことを今でも覚えています。「自由、平等、民主主義」的価値観の絶対化に疑問を呈し、新自由主義的な資本主義の考え方にも否定的で、伝統精神や武士道精神を取り戻すことの重要性を唱える伝統保守的な立場からの主張が随所に見られます。2008年に起こったリーマン・ショックを予言していたかのように金融派生商品を「時限核爆弾」に例えて批判している箇所には、氏の慧眼ぶりに驚嘆させられました。

 しかし、民主主義を批判した箇所で、三権の上に君臨する第一権力としてのマスコミを取り上げておられましたが、去年あたりから顕著に見られるようになってきた現象は、Internetの力によってそのマスコミが第一権力の座から引き摺り下ろされつつあるという明白な事実です。日本は戦前からの民主主義国家であり、我が国における民主主義もそうそう棄てたものではありません。

     

 Kindle版も用意されているのですが、新書の場合それほどの割安感はないですね。しかし、いよいよ今年あたりが電子書籍元年になりそうと、年末ぐらいからTabletをいろいろ物色しているところです。

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