国民年金及び厚生年金保険制度の薀蓄集3

 社労士会が開催主体の「平成23年度年金マスター研修」を受講することになりました。年金関連の知識には多少の自信を持っていたのですが、ここまでマニアックな世界なのかと正直閉口しています。その中で、基本的ではありますが、玄人も見過ごしていると思われた点にその都度言及していきたいと思います。


1.同月得喪

 厚生年金保険の被保険者期間の計算方法は、その資格を取得した月から喪失した月の前月までが被保険者期間です。ですから、60歳未満の被保険者が、月中に(=月末以外に)退職した場合、退職月は被保険者期間に算入されません。国民年金についても、その月に再就職しないでいた場合、当該退職月は2号被保険者ではなくて1号被保険者ということになります。

 この原則には、例外があります。それが、同月得喪で、同一月内に厚生年金保険の被保険者資格を取得して喪失した場合、その月を1箇月として被保険者期間に算入します(ところが、厚生年金基金の加入員資格は同月得喪の例外がありません。ここまでは、社労士試験の受験勉強でも学ぶところです。)

 それでは、同一月内に厚生年金保険の被保険者資格を取得して喪失した者が、会社勤めを辞めたのは、実家の自営業を急遽継ぐことになったためで、その月に役所に出向いて国民年金及び国民健康保険の必要な手続きも済ませたという場合を想定してみます。この場合、厚生年金の被保険者期間として算入され、保険料の支払いも行っている同じ月に、国民年金の第1号被保険者として保険料を納付することになります。この月に関しては、保険料は2重払いの形になりますが、この月に支払った厚生年金保険料は、経過的加算として年金額に反映されることになります(「国民年金の被保険者の種類と年金額」参照)。


2.同月得喪と合算対象期間

 昭和61年4月から施行された年金制度の大改正以前、配偶者が厚生年金保険の被保険者である妻(被扶養配偶者)は、国民年金への加入が任意でした。従って、任意で加入しなかった期間は合算対象期間となります。任意で加入してしまった期間、保険料を払い忘れた場合どうなるのかという点ですが、これは未納期間で合算対象期間にはなりません。

 それでは、配偶者が厚生年金保険の被保険者資格を同月得喪した場合、その妻の合算対象期間はどうなるのかを考えてみます。まず、この月、妻は厚生年金保険の被保険者の被扶養配偶者ですので任意加入の対象者です。しかし、配偶者が厚生年金の被保険者資格を喪失した時点で、国民年金は強制加入となります。そこで、同一月が任意加入の期間であり、かつ、強制加入期間でもあるということになり、ここで妻が保険料を納付するか、又は免除申請をすれば、この月は、合算対象期間には含まれないとなります。しかし、未納の場合には、例外的に合算対象期間とすることができます。なにやら、おかしな話ですが、同月得喪は厚生年金の1箇月とみなす例外措置から導かれる結論で、任意加入の地位の方が生かされるのです。

 大改正以後の第3号被保険者の話であれば、同月得喪の厚生年金被保険者は、2階部分で厚生年金の被保険者であったとしても、1階部分では2号ではなく1号ですから、妻は2号の妻とはいえなくなり、この月3号ではなくなるという結論が論理的に導けます。

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