年金給付と公課

 国民年金及び厚生年金保険などの年金給付は、受給権者の生活安定に資するためのもので、支給を受けた金銭が租税などの課税の対象となると、給付の意義が薄らぐことになるので原則として非課税ということになっています(国民年金法25条、厚生年金保険法41条2項)。しかし、例外的に、老齢基礎年金及び付加年金、並びに老齢厚生年金及び脱退手当金などついては課税されることになっています。建前は公課の禁止ということですが、年金給付の大多数を占める老齢及び退職を支給事由とする年金については課税されるので、実質的には年金は課税されるということです。

 さて、この年金に対する課税ですが、所得税法上「雑所得」としての課税の対象ということになります。現行法では、雑所得の場合70万円の収入までは所得0とみなされますので、これに基礎控除を加えた108万円までは課税されません。これは、パートタイマーの給与所得に対する課税について、収入が650999円までは所得0とみなされ、これに基礎控除を加えた103万円が、所得税が課税されるか否かの目安になるというのと同じ考え方です。また、平成23年を例にとると、昭和22年1月1日以前生まれ、即ち、法律的には平成22年の12月31日までに65歳以上になっている方々については、所得0とみなされる雑所得の収入金額は120万円まで引き上げられますので、これに基礎控除を加えた158万円までの収入が非課税となります。

 年金収入額が上記の額を超えると、年金を受け取る段階で所得税が源泉徴収されることになります。源泉徴収という制度は、課税関係が源泉徴収された段階でひとまず終了という訳ですが、年金の場合の源泉徴収税額は、次のような計算式で算出された金額になります。

 源泉徴収税額 = (年金支給額-社会保険料-各種控除額)×源泉徴収税率(5%)

 源泉徴収に関連して極めて重要なのが、日本年金機構から11月頃源泉徴収対象者に対して送られてくる「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」です。この書類を扶養者親族等の有無にかかわらず、12月上旬頃までに返送する必要があります。提出を忘れた場合、源泉徴収における控除は年金支給額の25%のみとなり、その他の各種控除を受けることはできなくなくるからです。還付を受けるためには確定申告の手続きが必要になります。

 扶養親族等申告書を提出しない場合の源泉徴収税額 = {年金支給額-社会保険料-(年金支給額-社会保険料)×25%}×源泉徴収税率(10%)

 毎年1月は、前年1月から12月までの間に老齢及び退職を支給事由とする年金を受給した人に対して、所得税が源泉徴収されたか否かにかかわらず、日本年金機構から「源泉徴収票」が送付されることになっています。「源泉徴収票」は、年金収入の他に給与所得を得ている場合、厚生年金及び共済年金又は厚生年金及び厚生年金基金など2箇所以上から年金を受け取っている場合などに、確定申告を行うときに必要な書類になります。

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