31厚生年金基金 監視対象に

 厚生年金基金は、企業年金の一つです。話を分かり易くするために、我が国の広義の公的年金は3階建ての基本構造になっていると説明しています。すなわち、1階部分の基礎年金、2階部分の厚生年金及び共済年金などの被用者年金、そして3階部分の企業が独自に支給している企業年金です。かつて、企業年金といえば、厚生年金基金のことを指していた時代があるほど、厚生年金基金は一般的な企業年金制度でした。

 しかし、厚生年金基金は、国が支給する厚生年金の一部を基金が国に代わって管理又は運用し、企業独自に支給する本来の企業年金部分と組み合わせて支給するという極めて訳の分からない制度です。その上、厚生年金の代行部分があるために、厚生年金に引きずられて規制が厳しく(厚労省年金局国民年金基金・企業年金課の管轄下にあります)、柔軟に運営しづらいという欠点も目立つようになって来ました。そのため、確定給付企業年金(2002年4月施行)及び確定拠出年金(2001年10月施行)の登場によって、主な大企業においては、厚生年金基金の代行返上が既に遂行されてきており、現在も厚生年金基金を実施しているのは、中小企業が多いと言われています。

 12月24日付日本経済新聞朝刊は、「31基金監視対象に 厚労省、財政健全化を促す」という記事を掲載しています。記事によれば、厚生労働省は、運用の失敗などで積立金が必要額の9割を下回って財政状況が悪化した31厚生年金基金を新たに指定基金として監視対象に加え、基金財政の健全化を促していくとのことです。指定基金になると、掛け金の引上げ及び給付水準の引下げなどを含む5年間の財政健全化計画の作成が義務付けられます。

 2011年度に指定基金となった31基金にそれ以前に指定基金となったものを加えると、指定基金の総数は81基金にのぼり、タクシー、運送業及び建設業などの業界ごとや都道府県単位の中小規模の基金を中心とした厚生年金基金が含まれています。厚生年金基金は、12月1日現在、全体で582基金ありますが、低金利が続いて資産運用が困難になっていることに加え、加入員(つまり現役社員)が合理化や採用抑制で減少している一方、退職者が増えて給付が増加するという構造的な問題を抱えています。

2011_@成田山 009A

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