自転車通勤の管理について

 近年の自転車走行の傍若無人ぶりについては、小生も苦々しく思っていた者の一人なので、警察が自転車にも最低限の交通規則を守らせる方向でようやく重い腰を上げたことを評価できると思っています。自転車は、立派な軽車両なのですが、欧米先進国に比べて道路が圧倒的に狭くて貧弱な我が国では、自転車の運転者に対して歩道の通行を禁止することには無理があります。しかし、狭い歩道や人通りの多い歩道を高速で走行したり、携帯で話しながら又は傘を片手に運転したりというのは規則違反ですし、歩行者に危険を及ぼします。さらに、照明設備が整い夜も明るくなった都会では、無灯火自転車に乗る不心得者が増える一方ですし、車道を走るのはよいとして、この際反対車線を逆走したり、一時停止で止まらないのはよく見かけます。自動車運転手から見ると危なくて仕方がないのではないでしょうか。

 こういった自転車運転に潜む危険を考慮すると、企業においては、自転車通勤を就業規則などを用いて管理しておく必要が出てきているように思えます。自動車通勤の管理の応用編として、自転車通勤の管理をどうするか、具体的に考えてみました。


1.自動車通勤の管理

 自動車による通勤を認めざる得ない会社又は慣習的に自動車通勤を認めている会社は、いくらでもあると思います。その際、(1)事前に「自家用車通勤許可申請書兼誓約書」を提出させる許可制を採用します。許可制にすれば、申請時及び更新時に免許証、検査証、保険証などを添付書類として提出することを義務付ける制度を導入することが容易になります。これによって、無免許運転や無保険の自家用車が使われることを防止できます。(2)自動車の場合、損害賠償を考慮すると、任意保険に加入することを義務付けることが、万が一の場合の備えになります。

 業務に自家用車を使用している場合に交通事故を引き起こして他人に怪我を負わせてしまったとき、事業主には民法715条の使用者責任が問われることになります。通勤途上の場合、使用者責任が問われるか否かの判断は微妙ですが、もめ事を事前に回避するための予防的な措置を講じておくことは、大いに意味があるでしょう。


2.自転車通勤の管理

 この自動車通勤に関する考え方を応用すれば、自転車通勤の管理も可能になると思われます。まず、(1)事前に「自転車通勤許可申請書兼誓約書」を提出させる許可制を採用します。(2)この際、対人事故発生の可能性が高まって問題になっている昨今の道路状況を前提に、対人及び対物の個人賠償保険への加入を義務付けます。

 就業規則にも、次のような規定を追加します。

(自転車通勤)
 第○条 自転車通勤を希望する者は、原則として自転車使用開始日の前日までに「自転車通勤許可申請書兼誓約書」を会社に提出し、許可を受けなければなりません。

 2.前項の申請を行う者は、必ず個人賠償保険に加入しなければならなりません。また、前項の申請を行う際には、当該保険証書の写しを添付しなければなりません。

 3.前項第2項の任意の保険に関しては、次の条件を満たしていなければなりません。

 ①対人賠償額○×000万円以上
 ②対物賠償額○×000万円以上

 4.会社は自転車通勤途上で運転者が引き起こした事故について一切の責任を負いません。損害に関しては、運転者が加入する個人賠償保険が適用されます。


3.どのような保険があるのか

 それでは、「世の中に自転車保険なるものが存在するのか」ということですが、かつてはそのものずばりの商品が存在したようですが、あまり一般的なものではなかったようです。公道における自転車走行に対する規制が今後厳しいものになっていった場合、自転車保険の名称を有する保険が復活するのかは、予断を許さない事柄です。それはさておき、今現在使えそうな保険は、傷害総合保険などどと称されている保険です。具体的には、以下の2社の商品などが自転車通勤における事故にも使えそうな代表的な傷害総合保険です。

(1)モンベル 野外活動保険(傷害総合保険)

  死亡・後遺障害    2百万円
  個人賠償責任   100百万円
  救援者費用等補償   5百万円

  保険料(1年)   3670円


(2)チューリッヒ スーパー傷害保険Lite

  死亡・後遺障害    3百万円
  個人賠償責任    50百万円(自己負担金 千円)
  入院保険金日額   3000円

  保険料(1年)   3520円
 (インターネット割引 2520円)

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