保険料の後納実施へ-年金確保支援法-

 国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律(以下「年金確保支援法」という)は、本年8月4日に成立、同10日に公布されました。各改正事項は、順次施行されることになっており、公布日から既に実施されているものもあります。その概要は、月刊社労士9月号でもまとめられておりましたので、要点を以下にまとめてみました。


1.国民年金法の一部改正

(1)国民年金保険料の納付可能期間を延長し、現行の時効2年からさらに以前の8年間で未納だった月の保険料を納めることが3年間の時限措置ではありますが可能になりました。つまり、国民年金保険料の納付期限は、原則的には翌月末日ですが、3年間の時限措置期間中は10年間遡った分の保険料を納めることが可能になります。この後納保険料には政令で定める額が加算されることになっています(平成24年10月1日施行)。

(2)年金額の計算の基になる第3号被保険者期間のうち、これまで実施された第3号の特例届出により保険料納付済期間と認められた期間を除いた「対象第3号被保険者期間」に重複する第3号被保険者期間以外の期間が新たに判明し年金記録が訂正された場合等で、それに引き続く第3号被保険者期間は、保険料納付済期間とみなされます。受給者、被保険者いずれも対象になります(公布日より施行済み)。

(3)国民年金の任意加入者(加入期間を増やすために60歳から65歳までの間に任意加入した者)について国民年金基金への加入を認めることになりました(公布日から2年以内に施行)。


2.確定拠出年金法の一部改正

(1)企業型の事業主の従業員に対する継続的投資教育の実施により、老後所得の確保に向けた従業員の自主努力を支援する規定を追加して、投資教育の実施義務を明文化しています(公布日より施行済み)。

(2)拠出限度額と事業主拠出を超えない範囲で従業員拠出(マッチング拠出)を可能とし、かつ所得控除の対象とする規定が盛り込まれることになりました(平成24年1月1日施行)。

(3)企業型で、加入資格年齢を60歳から65歳までの間で、規約で定める年齢に引き上げることが可能となります(公布日から2年6箇月以内に施行)。

(4)企業型を脱退した人が、企業型の運用指図者又は個人型に加入することなく個人型の運用指図者となり、2年経過後に、資産額が政令で定める額以下であるなどの要件を満たしていれば、2年以内に脱退一時金の請求が可能になります(公布日から2年6箇月以内に施行)。

(5)連合会移換者が70歳到達時点で本人からの請求がない場合、強制裁定が可能となります(公布日から2年6箇月以内に施行)。


3.確定給付企業年金法の一部改正

(1)退職による老齢給付金の支給について、規約上の上限を60歳以上65歳未満(現行は50歳から60歳で退職した者についての退職時の年金支給のみ)で定める年齢に引き上げることが可能になりました(公布日より施行済み)。

(2)事業所が分割又は事業譲渡する場合なども掛金の一括拠出の対象となりました(公布日より施行済み)。


4.厚生年金基金の一部改正

(1)年金資産が最低責任準備金を下回った基金が解散する場合、公布日から5年の間に申請されたものに限り分割納付等が認められることになりました(公布日より施行済み)。

(2)事業所が分割又は事業譲渡する場合なども掛金の一括拠出の対象となりました(公布日より施行済み)。


5.各制度共通

 未請求者対策を推進するため、住基ネットを活用して加入者の住所情報等を取得することが可能となりました(公布日より施行済み)。

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