首相退陣の条件としての電力買取法案

 朝のNHK第一で流れていた解説の類ですが、何でも我が国と韓国の電力料金は、既に我が国が韓国のおよそ2.5倍の高い水準になっているそうです。これには、韓国ウォンの為替水準がここもと3割強円に対して下落していることにもよりますが、地震の危険がほとんどない韓国では日本以上に原発への依存を高めていること、温暖化ガス排出に神経を使っていないので費用の高いLNGを火力発電に使うことに消極的なこと、輸出立国を推進するため国家戦略として電力料金を低く抑え込もうとしていることなどによるということでした。

 一方、我が国は首相退陣のための3条件というものがいつの間にか独り歩きを始め、最後に残っているのが「電力買取法案」です。この法案は、原発に依存しない電力供給を促すために、再生可能な自然エネルギーによって作られた電力の長期にわたる買取りを電力会社に義務付けるものです。しかし、この事業にかかる費用を一体誰が負担するのか未だ明確には決まっていないそうです。電力会社が自然エネルギー由来の電力買取を行うとして、それにかかる費用増は全て最終消費者に転嫁するとします。すると、一般家庭にとってもちろん負担増ですが、それ以上に電力多消費型の製鉄会社などが被る打撃は洒落にならない金額なのだそうです。このように少し考えただけでも、我が国の産業政策に将来禍根を残しかねない重要な法案が、自ら辞任を示唆し、与野党ともに大多数の国会議員が当然辞任すべきだと考えている人物をただ辞任させるために、拙速に国会を通過することになるのかと思うと、全くの本末転倒という感じがいたします。

 ところで、糸魚川静岡構造線にほぼ沿い、東側が50Hz、西側が60Hzの周波数の違いによる不都合を回避する事業はどうなったのでしょうか。現在各電力会社間での相互融通は、異なる周波数の電力会社間での相互融通のために、周波数変換を行う周波数変換所が設けられています。周波数変換所としては電源開発の佐久間周波数変換所、東京電力の新信濃変電所、中部電力の東清水変電所の3箇所があり、融通可能な電力は佐久間変電所は最高30万kW、新信濃変電所60万kW、東清水変電所10万kWで、両周波数間で融通できる最大電力は100万kWにすぎないとされています。多少の費用増と不都合はあっても将来何か大きな事故又は災害があった場合に必ず役に立ちそうな東西の周波数統一事業など、得体の知れない自然エネルギーの開発に優先して行うべき施策はいくらでもあるのではないかと思います。

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