夏期の電力需給対策について

東日本大震災に起因する東京電力及び東北電力管内の電力供給力の減少は、官民挙げての大規模な節電運動の高まりをもたらしました。我が国を支配する空気の中でも、「エコ」はいま最も濃厚なものの一つといえるかもしれません。

政府の電力供給対策本部(電力供給に関する検討委員会)は、5月13日に「夏期の電力需給対策について」という文書を発表しています。同文書では、今夏の電力需給対策の基本的な考え方について明確に述べられています。

第一に、「供給面での積み増しを最大限行った上で、なお存在する需給ギャップを解消するために、需要抑制の目標を設定する」こと、つまり、電力会社にまず汗をかいてもらう、それが大前提だということです。具体的な積み増しの方法は、(1)被災した火力発電所の復旧、(2)長期停止火力発電所の立ち上げ、(3)ガスタービン等緊急設置電源の導入、(4)自家用発電設備からの電力購入の拡大、(5)揚水発電の活用等が挙げられています。その結果、今夏の電力需給の見通しは、次のようになると想定されました。

             東京電力管内   東北電力管内
想定需要       6000万kW    1480万kW
供給力見通し     5380万kW    1370万kW
供給不足        10.3%      7.4%
(註)想定需要は、昨年並みのピークを想定した需要を使用。

第二に、「需要抑制に当たっては、使用最大電力を抑制することを基本とし、予めピーク期間・時間帯の抑制幅を示す。これにより、需要家が、操業時間のシフトや休業・休暇の分散化・長期化などに創意工夫を凝らして計画的に取り組むことにより、消費者や、とりわけ国の活力の源であり、また復興の基盤である企業の生産・操業に極力支障の出ないような仕組みとする」としています。

第三に、「計画停電は、本取りまとめを確実に実施することにより不実施の状態を維持するよう、万全を期しつつ、セーフティネットと位置づけ、万が一の緊急時に対応できるように備えておく」として、計画停電はあくまで不意の大規模停電(Blackout)を避けるための最後の手段という位置付けになっています。

さて、このような基本的な考え方を踏まえた上で、特に想定される供給不足、東京電力管内10.3%、東北電力管内7.4%から、一定の余裕を持った目標抑制率ということで、15%という数値が導かれてきています。しかし、ここで注意しなければならないことは、「エコ」や「節電」という掛け声が独り歩きを始めて、人の健康を二の次にするような事態の発生です。厚生労働省は、例えば、空調の温度を通常より上げるにしても、事務所衛生基準規則(昭和47年労働省令43号)の規定との関係を十分に配慮して行うよう、次のような通達を5月20日付けで発表しています。室温28度という目安もこの規則から来ていることが分かります。

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