国民年金の任意脱退制度

1.任意脱退制度

社会保障協定について書こうと思っていたのですが、その前に永住の意思のない外国人などを対象とした国民年金の任意脱退制度について触れておきます。現在の国民年金制度は、国民皆保険が原則であり、強制加入被保険者については国籍要件もないので、とかく忘れられている制度ですが、国民年金法10条1項に次のような規定があります。

第10条 被保険者でなかつた者が第1号被保険者となつた場合又は第2号被保険者若しくは第3号被保険者が第1号被保険者となつた場合において、その者の次に掲げる期間を合算した期間が25年に満たないときは、その者は、第7条第1項の規定にかかわらず、いつでも、厚生労働大臣の承認を受けて、被保険者の資格を喪失することができる。
(1)被保険者の資格を取得した日又は第2号被保険者若しくは第3号被保険者が第1号被保険者となつた日の属する月から60歳に達する日の属する月の前月までの期間
(2)その者が被保険者期間を有する者である場合におけるその被保険者期間

同じ外国人であっても、永住の意思のある者には、法附則8条5項10号で、次のような合算対象期間が認められています。

昭和36年5月1日以後、20歳以上65歳未満である間に日本国籍を取得した者(永住許可を受けた者を含む)の次の期間(20歳以上60歳未満の期間に限る)
(1)日本国内に住所を有していた期間のうち、国民年金の被保険者とならなかった昭和36年4月1日から昭和56年12月31日までの期間
(2)日本国内に住所を有していなかった期間のうち、昭和36年4月1日から日本国籍を取得した等の前日までの期間

なぜこうなるのかという訳は、昭和56年12月31日まで、国民年金の被保険者となるには国籍要件が求められていて、外国人が国民年金の被保険者になれるようになったのは昭和57年1月1日だからです。


2.脱退一時金

任意脱退と同様に短期在留外国人を念頭に定められたと思われる制度が、脱退一時金です。この制度は、平成6年11月9日が公布日ですので、この日に国民年金の被保険者であった者及び同日以後国民年金の被保険者になった者が支給対象になります。

脱退一時金の請求の日の前日において、請求日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間にかかる保険料納付済期間の月数と保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数とを合算した月数が6月以上である日本国籍を有しない者(被保険者でない者に限る)が、老齢基礎年金等の受給資格期間を満たしていないときは、脱退一時金の支給を請求することができます。ただし、次にあげるいずれかに該当するものは、脱退一時金を請求することができません。この中では、(4)が社会保障協定に絡む話と思われます。

(1)日本国内に住所を有する時
(2)障害基礎年金その他政令で定める給付の受給権を有したことがあるとき
(3)最後に被保険者の資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していたものにあっては、同日後はじめて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して2年を経過している時
(4)国民年金法の年金給付に相当する給付を行うことを目的とする外国法令の適用を受ける者又は当該外国法令の適用を受けたことがある者であって政令で定めるものであるとき

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