雇用保険の失業給付と年金_2

4.失業給付と年金との調整

 前回の雇用保険の被保険者に関する記述から導かれることは、いわゆる失業給付(基本手当)を受給できる被保険者は、65歳未満の被保険者に限られるということです。つまり、基本手当は、一般被保険者を対象に支給される失業給付ですが、65歳以上の人が65歳以降に新たに雇用された場合、雇用保険の適用除外になり被保険者にはなりません。65歳到達前から勤務していた会社に引き続き雇用され被保険者になれたとしても、一般被保険者とはなり得ず、高年齢継続被保険者になります。

 そこから、雇用保険の失業給付との調整の問題が生じるのは、特別支給の老齢厚生年金が受給できる場合ということが分かります。

 ただし、65歳到達直前に失業して公共職業安定所(ハローワーク)で求職の申込みを行った場合、基本給付の支給が65歳を過ぎた期間にかかることがありえます。この場合には、65歳到達以降、老齢年金との調整は行われず、雇用保険の基本手当及び老齢年金が併給されることになります。


5.調整の仕組み

 公共職業安定所(ハローワーク)において、失業認定及び求職の申込みをしたときは、失業給付(基本手当)を受給できる間は、失業給付(基本手当)が優先して支給され、この間、特別支給の老齢厚生年金は支給停止されます。手続き的には、求職の申込みを行うと、実際に失業給付(基本手当)を受給したかどうかに関係なく、求職の申込みを行った月の翌月から失業給付(基本手当)の受給期間が経過した月又は所定給付日数の受給が終了した月まで年金は支給停止されます(特別支給の老齢厚生年金受給権者が、公共職業安定所に求職の申込みをしたときは、必ず年金事務所に届出ることになっています。ただし、平成25年10月以降、原則届出不要となりました。)。この期間を「調整対象期間」と呼びます。

 求職の申込みをした後で、すなわち調整対象期間中、基本手当を全く受けていない月がある場合、その月分についての年金は、3箇月後の支給となります。また、失業給付(基本手当)の受給期間経過後の年金支給は3箇月程度経過後に再開されます。

基本手当と老齢厚生年金の調整


6.事後精算

 調整対象期間中、基本手当を受けた日が1日でもある場合、その月分についての年金が全額支給停止されます。このため、基本手当てを受けた日数が同じであっても、月をまたいで受給された場合とそうでない場合とで年金支給停止月数が異なる場合がありえます。しかし、このような場合であっても基本手当の受給期間が経過した日又は所定給付日数の受給が終了した日に調整が行われ、遡って年金が支給されます。この調整のことを「事後精算」といい、次のような計算式によって行われることになっています。

 支給停止解除月数(註) = 年金停止月数 - 失業給付支給対象日数÷30日

(註)失業給付(基本手当)の支給対象となった日数÷30に1未満の端数が生じた場合には、その端数を1に切り上げ、失業給付(基本手当)の支給対象となった日数に待期期間や自己都合で退職した場合の給付制限期間は含まない。

失業給付と年金の事後精算

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待期期間も支給停止

 特別支給の老齢厚生年金と雇用保険法第22条第1項に規定する基本手当を受けることができるときは、当該給付の調整対象期間中に基本手当の支給を受けた日とみなされる日、及びこれに準ずる日として政令で定める日(待期期間、給付制限期間の規定により基本手当を支給しないこととされる期間)が1日もない月があった場合には、その月については老齢厚生年金が支給される(支給停止はしない)」
 すなわち、「基本手当を受給している期間中だけでなく、待期期間、給付制限期間中につき基本手当を受け取れない日も受けた日とみなして、支給停止とするが、逆に、待期期間、給付制限期間でもないのに1日も基本手当を受給していない(一定限度以上のアルバイトを行ったなどにより。1日も失業とは認定されなかった)月であれば、その月分については例外的に支給停止しない。

2014年01月03日 10:07 from ヨコテ URL

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