平成23年度年金の主な改正点

1.年金額の改定

 総務省は1月28日、平成22年の全国消費者物価指数が対前年比で0.7%下落し、平成17年を100とした総合指数と比べて0.4%低い99.6となったことを発表しました。これにより、平成23年度の年金額は前年度から0.4%引き下げられることが決まりました。具体的には、国民年金(満額)が月額65742円(22年度66008円)、夫婦2人分の標準的な厚生年金では月額231650円(22年度231650円)となります。

平成23年度年金額
 改定の仕組みは、とても分かりにくいのですが、基本的には新規裁定・既裁定とも物価の動向に連動して年金額を決定する仕組みです。特例措置では、物価が下がればそれに合わせて年金額も下がりますが、一方で、直近の減額改定が行われた年の物価水準を下回った場合にだけ引き下げるという規定があります。今回の年金額改定は、前回の減額改定の基準値となる平成17年物価指数100を0.4%下回ったために行われることになったものです。この結果、平成23年度以降の減額改定の基準値は、99.6となります。

 年金額の改定は、特例措置により平成12年度から14年度までの物価下落スライド分(-1.7%)がその後の物価上昇の局面で相殺解消されるまで、本来の法定された改定(註)は行われず、前述のような方式で年金額の改定が行われるというデフレの影響を緩和させるための一時回避的な措置でした。ところが、デフレは、世界金融危機の勃発や円高の定着もあって、その後全く歯止めがかかっていないため、-1.7%が解消されるどころか、-2.5%に拡がっています。その辺りの事情は、下記の表を見ると、視覚的に理解できると思います。

年金額改定推移

(註)平成16年改正で導入されたマクロ経済スライドによる調整です。これは、賃金及び物価の変動に加え、労働力人口の減少、平均余命の伸びをも考慮に入れて、本来物価上昇に応じて上昇するはずの年金支給額を平成37年まで毎年0.9%程度値切る仕組みです。しかし、物価スライド特例措置による物価下落率の累積分(平成23年度で-2.5%)がインフレによって解消されるまで発動されないことになっています。


2.在職老齢年金の支給停止額

 在職老齢年金制度は、平成16年改正で年金額の支給基準となる「28万円」の支給停止調整開始額及び「48万円」の支給停止調整(変更)額が決定されました。これらは、その年度の賃金及び物価の変動に合わせて自動改定される仕組みになっています。

 低在老と呼称される60歳以上64歳以下の制度の場合、賃金と年金との合計が28万円を超えるときは、賃金の増加分の二分の一の金額の年金を支給停止にします。さらに、賃金が48万円を超えるときは、48万円超の賃金の増加分が年金の支給停止額になります。

 また、65歳以上の高在老の場合、基礎年金部分は在職に関係なく全額支給ですが、厚生年金については、賃金と厚生年金の合計が48万円を超えるときに賃金の増加分の二分の一の金額の年金を支給停止にします。

 これらが在職老齢年金制度の概要ですが、制度開始当初48万円だった基準額が平成22年度の47万円への引き下げに続き、平成23年度も46万円に引き下げられます。これは、平成22年度分の名目賃金変動率が-2.4%だったのに続き、23年度分は-2.0%だったことによります。

 23年度48万円×1.003×0.996×1.002×0.998×1.011×0.976×0.980=463689円≒46万円

 また、支給停止調整開始額の28万円については、名目手取り賃金変動率により調整する年金額の新規裁定と同様の仕組みを採っていますが、23年度は現行のままとなります。

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