共通番号制度に関する報道

1.共通番号制に関する最近の動向

 現政権が打ち出している税及び社会保障の一体改革と不可分の関係にあるのが、共通番号制度、いわゆる「国民総背番号制度」です。国税庁と日本年金機構とを一体化する歳入庁構想も考え合わせると、現政権が目論んでいることは、「納税者番号制度」と言った方がより正確な感じがします。この番号によって銀行口座の管理等も行う多目的なものになるのでしょうか。最近報道された内容を中心にその動向をまとめておきたいと思います。

 ちなみに、我が国の現状は、基礎年金番号、健康保険被保険者番号、パスポートの番号、納税者番号、運転免許証番号、住民基本台帳カードなど各行政機関が個別に番号をつけているため、国民の個人情報管理に関して縦割り行政で重複投資になっているということはご承知の通りで、確かにこれだけの番号があると管理する側もされる側も管理するのに骨が折れるということは言えるのかもしれません。

=== NHKニュースより引用 ===

共通番号制度 基本方針策定へ
2010年12月29日

個人の所得などを一元的に把握する「共通番号制度」について、政府は、来年秋の臨時国会に関連法案を提出することを目指し、来月にも法案の骨格となる基本方針を策定する予定で、年明けから共通番号の導入に向けた議論が本格化する見通しです。

政府は、税の適正な徴収や社会保障の安定を図るため、個人の所得などを一元的に把握する「共通番号制度」の導入を進める方針で、菅総理大臣も「医療・年金・介護の3つのサービスも、この制度ができれば、よりよいサービスがより公平にできる」と述べ、早期の導入が必要だという認識を示しています。そして、政府としては、来年秋の臨時国会に関連法案を提出することを目指し、来月にも法案の骨格となる基本方針を策定する予定です。

基本方針では、国民それぞれの生活事情に応じたきめ細かな行政サービスが可能になるなど制度導入のメリットを強調するとともに、番号を付与する具体的な時期も盛り込むことにしています。一方で、政府は、プライバシー保護の点から国民の間に共通番号に対する抵抗感があることを踏まえ、個人情報保護のための対策の取りまとめも急ぐことにしていて、年明けから共通番号の導入に向けた議論が本格化する見通しです。

=== 産経新聞より引用 ===

共通番号制度、先走るスケジュール、政府が法案化へ検討会
2011年1月24日

政府は24日、国民一人一人に番号を付けて納税や年金情報などを一元管理する「共通番号制度」の実務検討会を開き、今秋の臨時国会にも法案を提出する方針を確認した。菅政権が不退転の決意でのぞむ社会保障と税の一体改革実現の大前提になる制度だが、個人情報の管理など課題が多い。これまでも、総論賛成、各論反対で浮上しては消えてきた議論だけに、実現には困難も予想される。

「番号制の必要性は古くから言われてきたが、最終的に法案化が検討されるのは初めて。作業を強力に進めていただきたい」。仙谷由人前官房長官の後任として検討会座長に就任した与謝野馨経済財政担当相は、力を込めてあいさつした。

共通番号制度は、徴税面では、所得の把握が正確にできるのが最大のメリットだ。低所得者にも広く税負担が生じる消費税率の引き上げにあたり、高所得者の所得把握と低所得者への手当てをきちんとすることが公平性を確保するために必要で、消費税増税の大前提になる。ただ、預貯金口座や残高などの金融情報を把握されるほか、さまざまな個人情報が一括して行政機関に管理され、プライバシー侵害の危険性をはらむことから、根強い反対論がある。

この日の検討会は、個人情報保護と情報システムの制度設計を議論する2つのワーキンググループ(WG)を設置し、6月をめどに結論をとりまとめることを決めた。だが、野党からは「日本の情報管理は“ザル”」(社民党幹部)だとして、個人情報管理の甘さを危惧し、慎重な対応を求める声が上がる。経済界でも、日本商工会議所から所得情報の活用制限に対する要望が出ている。

検討会では、国民向けの広報業務を担当する「番号制度創設推進本部」も新設し、2年間かけて各都道府県でシンポジウムを開くなど、国民の理解を得ていく方針だ。しかし、国民に示さなければいけない制度設計もこれから
で、スケジュール感だけが先走りしている状況だ。

=== 毎日新聞より引用 ===

番号制度2015年に導入 政府、月内に基本方針決定
2011年1月25日

政府は24日、国民一人一人に番号を割り振り、所得の把握や社会保障分野での活用を目指す「税と社会保障の共通番号制度」について、利用開始時期を15年1月にする検討に入った。今月末に決定する番号制度の基本方針に明記する方向だ。

政府は番号制度について、1月に基本方針、6月に大綱を策定し、今秋の臨時国会にも法案を提出する方針。法案成立から利用開始までには、体制整備や番号の配布など3年程度の準備期間が必要になるとみられている。民主党は09年の衆院選マニフェストで、社会保険庁の後継として設立された「日本年金機構」と国税庁を統合して「歳入庁」を設立し、税と社会保険料を一体的に徴収する構想を掲げている。ただ、関係省庁の反発が根強く、実現に向けた調整は進んでいない。

基本方針には、番号を管理する機関として歳入庁の創設を検討することを盛り込むものの、当面は国税庁が法人を、住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)を所管する総務省が個人を担当する。

消費税率を引き上げる際には低所得者ほど負担感の増す「逆進性対策」が課題。政府は、番号を活用し、低所得者への社会保障を充実させることで、消費税増税への理解を得たい考えだ。【谷川貴史】

=== 引用終わり ===


2.各国の共通番号制度

 米国及び英国などでは、主に徴税と社会保障制度に適用される社会保障番号(米国の場合Social Security Number, SSN)が共通番号制度と言える役割を果たしています。米国において市民・永住者・合衆国法典における社会保障法(the Social Security Act)205条C2に記載された外国人就労者に対して9桁の社会保障番号発行されます。もともとは徴税用の個人特定が目的でしたが、近年は事実上の国民識別番号(俗に言う国民背番号)となっており、選挙の実施にも利用されるようになっています。

 スェーデン及び韓国などでは、社会保障番号よりも汎用性の高い住民登録番号が導入されています。スウェーデンでは背番号コード(PIN)によって、氏名、住所、管理教区、本籍地、出生地、国籍、婚姻関係、家族関係、所得税賦課額、本人・家族の所得額、本人・家族の課税対象資産、保有する居住用不動産、不動産所在地の県の地域番号、建物の類型、不動産の評価額、ダイレクトメール送付の是非などがこのファイルの最終変更日付で個人情報として管理されています。用途は、徴税及び社会保障の他、住民登録はもちろん、選挙、教育及び兵役の実施に利用されています。

 韓国では、指紋の情報を含む住民登録番号とカードの携帯を義務付けています。これは北朝鮮のスパイ対策を視野に入れた政策といわれていますが、用途はスェーデン同様、広範囲にわたっています。

 ドイツでは、裁判所の判決で背番号制は憲法違反であるとの判決が出て行なわれておらず、税務に関する税務番号があるだけです。オーストラリアではオーストラリアカード案は反対にあい廃案になっており、ニュージーランドでも同様です。英国のスマートカード構想は頓挫し、フィリピンでも憲法違反の判決が出ています。
(出典:Wikipedia)

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