協会けんぽ、保険料率23年度も上昇

本日の日本経済新聞に「協会けんぽ、保険料率9.5%に上昇」の記事が掲載されていました。この記事は、必ずしも正しいものではありません。というのは、かつて政府管掌健康保険とされていたものが協会けんぽなのですが、この保険料率は全国一律ではないからです(註)。

いずれにしても、現在賃金や物価がほとんど上昇しないデフレ経済下で、社会保険料負担だけが増加し、しかも給付は物価水準に連動して下がる(例えば年金給付額は来年度から引き下げられることが決定されました)ということは、実質的な負担増ということができます。その構造的な原因は、給付を受ける人の増加と負担をする現役世代の減少です。医療技術の進歩を併記しているのは、問題の本質から目をそらす言い訳のような気がしないこともありません。

=== 日本経済新聞電子版より引用 ===

中小企業の会社員らとその家族が加入する協会けんぽは24日、労使で折半して負担する健康保険料率が2011年度に9.5%と今年度に比べ0.16%上昇する見込みと発表した。高齢化と医療技術の値上がりの影響で医療費の支出が膨らむため、保険料率の引き上げは避けられないと判断した。引き上げは2年連続になる。
年収400万円の会社員の場合、保険料の負担は来年4月納付分から月260~270円程度増える見込み。年収500万円だと月330~340円の増額になる。企業も会社員と同じ額を負担する。40歳以上が負担する介護保険料率は来年度に1.51%と今年度に比べ0.01%上がる見通し。

協会けんぽが24日発表した収支イメージ(健康保険分)によると、来年度の医療費などの支出は今年度に比べ3.4%増の7兆8560億円になる見込み。
保険料などの収入は1.4%増の7兆9118億円の見通し。差し引きで単年度の収支は558億円のプラスになる。民間銀行からの借入金が1116億円あるため、全額をその返済に充て、12年度で借金を完済する計画だ。
08年以降、会社員の給料が減り保険料収入が落ち込む一方で、医療費支出は膨らみ、協会けんぽの財政運営は綱わたり状態。銀行からの借り入れや保険料率の引き上げでやりくりしているが、12年度の保険料も上がる可能性が高い。

協会けんぽの加入者は約3500万人で、国民の3~4人に1人が入る計算だ。会社員が企業と健康保険料を折半して毎月納め、病気やけがをしたときは病院窓口で支払う医療費の負担は原則3割で済む。08年9月末まで政府管掌健康保険として旧社会保険庁が運営していたが、その後は全国健康保険協会が運営している。

=== 引用終わり ===

(註)政府管掌健康保険が2008年10月より全国健康保険協会に移管され、それに伴い全国一律だった保険料率も医療費に応じて各都道府県別に決定することとなった。実際には2009年9月より各都道府県別の保険料率となり、8.26%(北海道)~8.15%(長野県)と定められた。更にその半年後の2010年3月には全国平均で1.14%の大幅な保険料率引き上げが行われ、9.42%(北海道)~9.26%(長野県)となった。

(註2)一方、組合健康保険の一般保険料率は各健康保険組合の実情に応じて1000分の30から1000分の100の範囲内で決めることができ、事業主と被保険者の負担割合も、上限の範囲内で事業主の負担割合を多くすることができます。

(註3)旧社会保険庁作成「政府管掌健康保険 改革ビジョン」(2005年12月13日)より
各種健康保険比較

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