デフレの正体と有効な経済政策

現政権与党を形成している国民新党のWebsiteを見てみますと、我が国の潜在的供給力と実際の需要との差であるデフレギャップが約30兆円ほどあり、再成長のために11兆円の政府支出を掲げています。この他、保守の論客の中にも、デフレの正体はデフレギャップなのであって、そのギャップを埋めるために政府支出(=公共投資)をとにかく増やせばよいのだという主張が見うけられます。デフレの時に有効な経済政策は、(1)公共投資など政府支出を増やすこと、(2)減税、(3)金融緩和であり、世界同時不況後の欧米諸国はまさにこの戦略を採用し、我が国の場合できることは限られていたとはいえ、当時の麻生政権は同様の姿勢だったと思います。

しかし、このケインズ主義的な主張に対して疑問に思う点は、「それでは、なぜ我が国のデフレが20年近く解消されずに続いているのか」ということです。もちろん、小泉政権の後半、金融機関の不良債権問題に目途をつけたことと外需の好調によって景気回復が持続した時期があり、また、橋本政権が消費税の引き上げを行う以前に景気回復傾向が見られたなど、小さな波があったことは事実でしょう。それこそが、伝統的なケインズ流の経済政策で対抗できる景気循環の波なのだと思います。それにもかかわらず、全体としては、ほぼ金利0に張り付いたままの低金利が20年近くも続いているのも事実です。

この景気循環よりもはるかに大きかったデフレの波の原因は何なのか、その正確な分析こそが重要で、その解答を示さないまま、安易に需給ギャップを埋めるために政府支出を増やせという主張を受け入れることは、非常に危険だと思うのです。今のところ、政府部門の1000兆円前後の累積債務も個人部門の貯蓄から賄われており、問題ないというのが財政拡大論者の論拠ですが、約1200兆円といわれる個人貯蓄も無限ではありません。小泉政権時代に「まず解決しなければならない問題は金融機関の不良債権」といって攻撃目標を絞って問題解決に集中したように、我が国のデフレ特有の問題点を絞り込んで、具体的な解決策を提示する必要を強く感じます。

そのために、トヨタ流の「なぜ」を5回繰り返すのでも何でもよいのですが、我が国の場合、つまるところ藻谷浩介氏が主張しているような、生産年齢人口の大幅な減少に行き着くのではないかと思います。生産年齢人口の大幅な減少が起こっている状況に抗して、むやみに政府支出を増やせというのは、無意味であるばかりか、非常に危険だと思うのは小生だけでしょうか。

さて、こういった状況の中で、政権与党のもう一方の民主党の経済政策は、財政の無駄の削減と子供手当です。「子供は天からの授かりものであり、社会全体でめんどうを見る」というその理念や良しですが、子供手当が国内需要をどの程度喚起できたかは大いなる疑問符のままです。この子供手当の影響で平成23年度から所得税に関して、15歳までの扶養控除が廃止されています。ちなみに、廃止検討されていた配偶者特別控除は今のところ廃止にはなっておりません。

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平成22年度の改正事項のうち、平成23年分の所得税から適用される主なもの
1 扶養控除の見直し
(1)年少扶養親族(扶養親族のうち、年齢16歳未満の者をいいます。)に対する扶養控除が廃止されました。これに伴い、扶養控除の対象となる控除対象扶養親族は、年齢16歳以上の扶養親族とされました(所法2、84、平成22年所法等改正法附則5)。
(2)年齢16歳以上19歳未満の者に対する扶養控除については、上乗せ部分(25万円)が廃止され、扶養控除の額が38万円とされました。これに伴い、特定扶養親族の範囲が、扶養親族のうち年齢19歳以上23歳未満の扶養親族とされました(所法2、84、平成22年所法等改正法附則5)。
(3)扶養控除の見直しに伴い、居住者の扶養親族又は控除対象配偶者が同居の特別障害者である場合において、扶養控除又は配偶者控除の額に35万円を加算する措置に代えて、同居特別障害者に対する障害者控除の額が75万円(改正前:40万円)に引き上げられました(所法79、旧措法41の16、平成22 年所法等改正法附則5)。
2 給与所得者等が住宅資金の貸付け等を受けた場合の課税の特例(旧措法29)について、その適用期限(平茂22 年12 月31 日)の到来をもって廃止されました。なお、同日以前に使用者から住宅資金の貸付け等を受けている者に対しては、廃止前の特例を引き続き適用するための所要の経過措置が講じられました(平成22年所法等改正法附則58)。
3 支援事業所取引金額が増加した場合の3年以内取得資産の割増償却(措法13 の2)について、障害者の雇用の促進等に関する法律の改正に伴い、障害者就労支援事業所となる事業所の判定要件における労働者に身体障害者又は知的障害者である短時間労働者が追加されました(措令6の7)。
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