新しい名刺

 労務管理関係の仕事用と年金関係の仕事用に名刺を分けて新しく作成しようとかねてから目論んでいたのですが、労務管理関係の名刺につける標語がなかなか思いつきませんでした。「魂の宿った会社、一緒に考えませんか?」、「会社の健康増進をお手伝いします」などあまりぱっとしないものばかりで、つくづく自分のコピーライトの才能に愛想を尽かしていたのでした。しかし、ようやくこれにしようというものを再発見しました。元共同通信の特ダネ記者で、現在は独立総合研究所社長の青山繁晴さんが座右の銘として考え出された造語、「脱私即的」です。読んで字のごとく、私心を脱し、本来の目的に即応することを意味します。漱石の「則天去私」も同じようなことを言っているのだと思われますが、やはり現代人の青山さんが使っておられる言葉の方がしっくりきます。

 というわけで、「脱私即的」を事務所名の下に刷ることにしました。一応青山さんには伝えておこうと、同氏のBlog「On the road ~青山繁晴の道すがらエッセイ」のコメント欄にその旨書き込みをさせていただき、一応ご容赦はいただいたものと勝手に解釈しております。この名刺をお渡ししたときに、この標語が目にとまって聞いてこられる方がいらしたら、言葉の意味をお話して、多少はそういうことに思いを寄せながら日々の経営なり、仕事に生かしてもらえればと思っております。そして、何よりも自分勝手な性分のおのれ自身に対する戒めとして、名刺を配るたびにそのことに思いを寄せる材料にもなると期待している次第です。

 さて、先日同業の大先輩から若かりし頃の武勇談も交えて「営業の真髄とは相手に貸しをつくること」だというお話を伺いました。大先輩が伝えようとしてくれた本当の貸しというのは、自己保身から来る妙な計算高さが少しでもあると生まれてくるものではありません。私心を脱して本当に相手の会社のこと、相手の立場を考えるという心を腹の底に宿していなければ、修羅場に立ったときの腹の据わり方、対応の仕方に雲泥の差が出て、偽者は直ちに見破られてしまいます。営業は、必然的に利を求める性質を伴う活動です。しかし、営業の真髄は、それとは真逆の心境に至らないと本当の腹はつくれない、そんなことを考えさせるお話でした。

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労働者派遣法改正案 参院で可決

 今開かれている国会、第189回通常国会ですが、そこで議論されているのは、国防・安全保障関連法案だけではありません。政府及び与党は、いわゆる「残業代ゼロ制度」の導入を含む労働基準法の改正は既に断念したものの、労働者派遣法の改正案は、9日の参議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党と次世代の党、新党改革などの賛成多数で可決されました。改正案は、参議院で施行日を先延ばしするなどの修正が加えられたため、衆議院に送り返され、可決成立する見込みです。

 この法案に関しては、この9月中に可決成立できない場合、「10月1日問題」なるものが顕在化するという指摘がかねてから囁かれておりました。2012年10月に施行された現行法が3年を経過する10月1日から「労働契約申し込みみなし制度」が施行されることにより、3年を超えた違法派遣は、派遣先企業が労働者に直接雇用を申し入れたのと同様だとみなされることになります。この違法派遣の基準が現行法のままではいま一つ明確ではないため、現場の混乱は今回の改正案が可決成立しないときには、回避できないことになるだろうというのが、いわゆる「10月1日問題」です。

 改正派遣法に関しては、3年の縛りを緩めることによって派遣労働の固定化が強まり、非正規から正社員になる機会が益々失われると危惧を表明する意見が聞かれます。派遣労働者の増加は、どうしても国全体の賃金総額を引下げる方向で影響を及ぼしてきます。今回の改正派遣法の中には、派遣期間の無制限化を補填する措置(全ての派遣業者を許可制に移行、派遣労働者の雇用安定措置及びキャリアアップ措置の実施など)も規定されており、改正法の効果がどのようなものになるのか、予断を許さないところです。

 また、「同一労働、同一賃金」の原則を推進するための法案も可決成立したとのことです。この原則に関しては、一見正しそうに見えて、難しい問題が含まれております。浅草社労士は、単純かつ生真面目に「同一労働、同一賃金」の原則を推進することには反対の立場です(多様化する雇用形態と雇用管理)。さらに、この法案が正社員の賃金を非正規に合わせて引き下げる口実に経営者側から利用されないか危惧する、といった意見さえ聞かれます。

=== NHK NEWS WEB 9月9日 ===

 労働者派遣法の改正案は、一部の業務を除き、現在は最長で3年までとなっている派遣期間の制限を撤廃する一方で、1人の派遣労働者が企業の同じ部署で働ける期間を3年に制限するなどとしたもので、9日の参議院本会議で討論と採決が行われました。この中で、自民党の福岡資麿参議院議員は、「派遣社員として働く人、派遣先企業、人材派遣業界の三者にとってメリットがある改正で、労働者派遣制度の明確化、運用の適正化に大きく資する」と述べました。一方、民主党の石橋通宏参議院議員は、「準備と周知に相当な時間が必要なことを考えれば、円滑な施行は不可能で、現場は大混乱に陥る。欠陥だらけで、廃案にすべき法案であることは明らかだ」と述べました。

 このあと採決が行われ、改正案は、自民・公明両党と、次世代の党、新党改革などの賛成多数で可決されました。改正案は、8日の参議院厚生労働委員会で、今月1日となっていた施行日を今月30日に先延ばしするなどの修正が加えられたため、衆議院に送り返され、与党側は今週中にも成立させたい考えです。また、9日の本会議では、非正規労働者の待遇の改善に向けて、同じ仕事であれば正社員と同じ賃金を得られる「同一労働・同一賃金」を推進するための法案の採決も行われ、自民・公明両党と維新の党、日本を元気にする会、次世代の党、無所属クラブ、新党改革などの賛成多数で可決され、成立しました。

=== 引用 終わり ===

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