サーヴィス業のあり方

今朝は独立系消費者金融大手「武富士が会社更生法の申請」の報道が流れていました。そもそも、消費者金融という業種は不況時に伸びてきたサーヴィス業なので、少々驚きました。というのは、1.不況時には、失業者が増え、失業しなかった労働者の賃金も抑えられます。しかし、人は一般的に生活水準をそう簡単に落とすことができないので、借金に対する需要が高まります。一方、2.不況時には、企業の設備投資が激減し、資金需要が減退して金利が低下します。我が国の場合、実質的「0」金利を含む超低金利時代が長きに亘って続けられることになりました。この間消費者金融会社も資金調達における超低金利の恩恵は、当然享受することができたわけです。バブル崩壊後の不況時には、大手消費者金融を中心に我が世の春を謳歌したはずです。

ところが、今不況時、大手の倒産劇が相次いでいます。業界の裏事情などに精通している者でもないので、想像で書いているのですが、バブル景気崩壊後の不況時に比べると、当時は消費者金融になど目もくれなかった(やりたくてもノウハウもなかったのでしょう)大手都市銀行などが近年この分野に本格参入してきたこと、そして何よりも、一連の消費者金融の利用者保護的見地からの規制強化の影響が、不況の追い風をはるかに上回るものだったということなのでしょう。多くの場合、大手消費者金融会社は、完全に消えて無くなってしまうわけではなく、大手銀行の傘下に入るなどして再建を図るようで、消費者金融という産業自体が消滅して、業界にかかわる多くの労働者が路頭に迷うということではないのですが、合理化に伴う整理解雇の類は避けられなくなるのかもしれません。

思うに、サーヴィス業は「何らかの形で、顧客に役務を提供して、顧客の役に立つもの」でなければならず、いくら需要があるからといって、一時社会問題化したように多数の人間をどん底に陥れるようなサーヴィスは、サーヴィス業として長期間繁盛することはできないという、当たり前のことをこの事例は語りかけているのかもしれません。もちろん、我々が生きているのは自由競争の自由主義経済であり、競争に勝ち抜かなければ利益は確保できず、成長は不可欠で現状維持は敗北を意味する、そこが一番難しいところなのではありますが...。

ところで、社会保険労務士を含めた士業は、前述の定義からすると、正にサーヴィス業の範疇に属するわけで、その立ち位置をどこに置くのかと言うことを常に自問し続けていないとならないだろうと思っています。自問ばかりで中々走りだせないのが次なる問題ではありますが、今現在の結論を言葉にするとサーヴィス業は地道にやっていくのが一番ということになります。


===時事通信より引用===

武富士が会社更生法申請へ=過払い返還が業績圧迫
時事通信 9月27日(月)6時0分配信

消費者金融大手の武富士<8564>が東京地裁に近く会社更生法の適用を申請する方向で最終調整していることが27日、明らかになった。過去に受け取った、利息制限法の上限金利を超える「過払い利息」の返還請求がここ数年で急増し、業績を圧迫。資金繰りにも苦しんでいた。法的整理で過払い利息の返還額をカットし、早期の再建を目指す。
消費者金融業界では経営環境の悪化から再編が加速。昨年はアイフルが私的整理の一種である「事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)」を申請しており、メガバンクの後ろ盾のない独立系大手の経営が相次いで行き詰まる事態となった。上場の消費者金融ではクレディアが2007年9月、民事再生法の適用を申請している。
武富士は従来の「サラ金」のイメージをテレビCMなどで一新して業界トップに上り詰め、02年3月期の連結営業収益は4254億円を計上。貸付金残高は1兆7666億円を誇った。しかし、「グレーゾーン金利」の受け取りを事実上認めない06年の最高裁判決を機に、返還に備えた引当金を積み増すことを余儀なくされた。昨年末以降は新規の貸し付けをほぼ停止し、手元資金の確保に努めてきた。保有不動産や貸付債権の売却を進め、6月に迎えた414億円の社債の大量償還は乗り切った。ただ、同月の改正貸金業法の完全施行で、融資が顧客年収の3分の1以下に制限されるなど、業界の先行きは不透明。業績回復の見通しが立たず、自力再建は難しいとの判断に至ったもようだ。

===引用終わり===

第4種被保険者_旧厚生年金任意加入制度

現行の広義の公的年金制度は、1階基礎年金(国民年金)、2階厚生年金、そして3階が企業年金等という構図ががっしりと頭の中に根付いているせいで、かつて国民年金制度と厚生年金保険制度は全く関係のない各々独立した制度だったことがついつい実感できない状態です。おっさんとは言え、社労士としては新進気鋭ということがこういう場面で露見してしまいます。

専業主婦などが第3号被保険者として国民年金の被保険者となった61年改正の時、それまでは別々の制度だった国民年金制度及び厚生年金保険制度が一つの制度に合体させられたわけです。つまり、それまでは別々の制度だったということは、現行制度のように会社を辞めたら厚生年金から国民年金に鞍替えするという発想よりは、会社を辞めても厚生年金制度に残るという方がごく自然で、特に女性が一時的に仕事を辞める状況になったが、落ち着いたらいずれまた働くというような場合を想定すると、厚生年金に任意に残る制度はあって当然というものでしょう。


1.第4種被保険者

現行の厚生年金保険の任意加入制度は任意単独被保険者、高齢任意加入被保険者の2つですが、共に事業所で働いている人が対象です。しかし、昭和61年に廃止になった第4種被保険者は、会社等を辞めた後も厚生年金の被保険者となり続けられる制度です。

旧厚生年金保険法では、老齢年金の受給資格期間は原則として「厚生年金保険の被保険者期間が20年以上」でした。10年以上厚生年金の被保険者期間を有する者は、退職等で被保険者でなくなったときに、老齢年金の受給資格を満たすまでの間、第4種被保険者として任意に厚生年金に加入できたのです。

要件は、退職等で厚生年金の被保険者でなくなった場合に、被保険者の資格を喪失してから6月以内に社会保険庁長官に申出ることです。期間は厚生年金保険の被保険者期間が20年になるまでですが、中高齢の特例により、生年月日により男子40歳以降、女子35歳以降に15年~19年の被保険者期間を満たした場合にはそれまでの期間第4種被保険者となることができます。

昭和61年の年金改正で国民年金も厚生年金も共済年金も全て基礎部分が合体したために、第4種被保険者は原則として廃止された制度ですが、ある程度年齢が上の人や、この第4種被保険者に期待をしていた人たちに対して、いきなり廃止とすると支障がありますので、昭和61年以降もある一定の要件を満たす者は例外的に第4種被保険者になり続けることができることとしました。


2.資格取得要件

昭和61年当時、経過措置とし厚生年金の第4種被保険者の資格を取得することができるための要件ですが、次に該当する者で、厚生年金の被保険者期間が10年以上20年未満であるものが厚生年金の被保険者でなくなった場合、または、厚生年金の被保険者でなくなった後に、引き続いて共済年金に加入したときは、共済組合の加入者の資格を喪失した場合に、厚生年金の被保険者期間が20年に達するまでの間第4種被保険者となり、厚生年金の被保険者となることができました。

(1)昭和61年3月31日に、現に第4種被保険者であった者
(2)昭和16年4月1日以前に生まれた者であって、昭和61年4月1日において厚生年金の被保険者であった者
(3)昭和61年3月31日に65歳以上であるため、被保険者の資格を喪失した者
(4)昭和61年3月31日において、第4種被保険者の資格取得の申出をすることができた者であって、その申し出をしていなかった者が昭和61年4月1日において厚生年金保険の被保険者及び共済組合の組合員でなかったとき
(1)は、明日からいきなり「第4種被保険者はなしね」と言われたらかわいそうだから、(2)は、施行日で45歳以上だし、このくらいの年ならば長年厚生年金に入っていただろうし、第4種被保険者への期待も大きいだろうということ、(3)は、厚生年金の適用が65歳までなので第4種被保険者で被保険者期間を稼ぐしかないということ、(4)は、昭和61年4月1日前、第4種被保険者になろうと思えばまさに今第4種被保険者になれたという人です。つまり、昭和61年4月1日以降に厚生年金の被保険者になった人は、第4種被保険者という概念は一切関係ありません。

第4種被保険者の資格取得の申出は、厚生年金保険の被保険者資格を喪失した日、または共済組合の組合員もしくは私学教職員共済制度の加入者の資格を喪失した日から起算して6月以内に社会保険庁長官に申し出なければなりません。


3.第4種被保険者の資格取得の時期

資格取得の申出が受理された時は、次のいずれかのうち、資格取得希望者が選択した日に第4種被保険者の資格を取得します。

(1)申出にかかる厚生年金の被保険者資格又は共済組合の組合員若しくは私学教職員共済制度の加入者の資格を喪失した日
(2)申出が受理された日

第4種被保険者は任意継続被保険者なのですが、(2)を選択した者には断続もあり得るということです。


4.その他注意事項

(1)第4種被保険者の資格喪失の申出

厚生年金第4種被保険者は、いつでも社会保険庁長官に申し出て、厚生年金の被保険者の資格を喪失することができます。

(2)第4種被保険者の資格喪失の時期

厚生年金第4種被保険者は、次のいずれかに該当するときは、その日の翌日に、⑤、⑥に該当するときはその日に被保険者の資格を喪失します。

①死亡した時
②被保険者期間が20年に達した時、又は老齢基礎年金の特例受給に必要な被保険者期間を満たしたとき(いわゆる中高齢の特例のことで、生年月日に応じて男子40歳以降、女子35歳以降に15年~19年)
③資格喪失の申出が社会保険庁長官に受理された時
④保険料を滞納し、督促状の指定期限までにその保険料を納付しないとき(初めて納付すべき保険料を除く)
⑤当然被保険者又は任意単独被保険者となったとき
⑥共済組合の組合員、または私学教職員共済制度の加入者となったとき
②は、目的達成。また、中高齢の特例により厚生年金の受給資格ができた旧厚生年金のしくみを引き継いでいます。⑤の当然被保険者は、厚生年金の適用事業に使用される被保険者。つまり、第4種被保険者として任意で入っている意味はもうないということです。

(3)第4種被保険者と当然被保険者等の違い

厚生年金の第4種被保険者と、当然被保険者、任意単独被保険者との違いは次のようなものです。

①第4種被保険者となって初めて納付する保険料を納付しなかったときは、初めから第4種被保険者とならなかったものとみなされます。これは厚生年金の高齢任意加入被保険者(事業主の同意がない方)と同じです。
②標準報酬は、第4種被保険者資格取得前の最後の標準報酬によるものとします。
③保険料は、全額本人負担、納付義務を負います。
④毎月の保険料は、その月の10日までに納付しなければなりません。(健康保険の任意継続と同様)
⑤保険料の前納が認められています。(最後の標準報酬というように固定ですので改定はありません)
⑥育児休業期間でも、保険料の免除はありません。
⑦第4種被保険者は、高齢任意加入被保険者となることはできません。

高齢任意加入被保険者の加入目的は年金の受給権確保です。これに対して、第4種被保険者は、あくまで厚生年金の被保険者期間が20年が目的です。老齢基礎年金の25年を満たしていても出て行けとはなりません。一致しているのは中高齢の特例の適用の点です。

「場合」及び「とき」

4.「場合」、「とき」

「もしも...だったら」という仮定的条件を法律的に表現する場合には、「とき」、「場合」を用います。「とき」は、「時」と漢字を当てると「ある時点」という意味にになってしまい、厳密な意味が変わるので、平仮名で表記します。

それでは、「とき」及び「場合」の使い分けをどのように行うのかという問題です。大きな仮定条件の直後には「場合」を使い、小さな仮定条件の直後に「とき」を使います。たとえば、「××党の代表選挙が行われた場合、ポイント総数の過半数を得た者がいないときは、得票数の上位2名により党所属国会議員による決選投票を行い、得票数の多かった者を当選者とする。」というようになります。


5.「その他」、「その他の」

日常用語としてはどこに違いがあるのかと思われますが、法律用語として使われる場合、その使い方には違いがあります。「その他の」は、「その他の」の前に出てくる言葉が後に出てくる意味や内容の広い言葉の一部であるという関係にあることを示す場合に使われます。一方、「その他」は、「その他」の前にある言葉と後ろにある言葉と並列、対等の関係にあることを示すにすぎません。

たとえば、行政手続法19条1項「聴聞は、行政庁が指名する職員その他政令で定める者が主宰する。」という条文ですが、「その他」なので、「行政庁が指名する職員」はまず出てくるのです。そして、「政令で定める者」がこの他に存在すれば出てくるということになります。しかし、仮に「その他の」となっていたならば、「行政庁が指名する職員」は、そもそも「政令で定める者」の中に含まれていなければならないことになります。


6.「遅滞なく」、「直ちに」、「速やかに」

いずれも「すぐに」という意味で用いらますが、法律用語としては区別して用いられます。「遅滞なく」は、正当な理由、合理的な理由がない限りすぐに行わなければならないとされています。これに対して「直ちに」は、理由はどうあれすぐに行わなければならない場合に用いられます。「遅滞なく」及び「直ちに」は、すぐに行われなければ義務違反となり、違法となる場合が多いとされるようです。「速やかに」は、訓示的に用いられ、すぐに行われなくても義務違反とはならないができるだけ早く行わなければならないとする場合に用いられます。


7.「みなす」、「推定する」

「みなす」という場合には、法律的にそういうものとして扱いますと決めてしまうことを意味します。一方、「推定する」というのは、一応そういうことにしておきますが、もし反証が上がってきて、事実と違っていた場合には改めますということです。

民法753条(婚姻による成年擬制)は、「未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。」と規定しています。これは、年齢からいうと成年ではありませんが、法律上は成年となったと確定してしまい、そのように扱うということです。

また、民法31条に「失踪宣告の効力」の条文があります。これによれば、「前条第1項の規定により失踪の宣告を受けた者は同項の期間が満了した時に、同条第2項の規定により失踪の宣告を受けた者はその危難が去った時に、死亡したものとみなす。」といっています。つまりこれらの失踪宣告を受けた者は、法律的には死亡したものとして扱われることになって、後に生存していることが証明されても確定した法律関係は覆らないということです。しかしながらこの規定の場合には、続く32条(失踪の宣告の取消し)で「失踪者が生存すること又は前条に規定する時と異なる時に死亡したことの証明があったときは、家庭裁判所は、本人又は利害関係人の請求により、失踪の宣告を取り消さなければならない。この場合において、その取消しは、失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない。」、「2 失踪の宣告によって財産を得た者は、その取消しによって権利を失う。ただし、現に利益を受けている限度においてのみ、その財産を返還する義務を負う。」という例外規定が設けられています。

「推定する」の方は、「同時死亡の推定」の規定があり、民法32条の2 「数人の者が死亡した場合において、そのうちの一人が他の者の死亡後になお生存していたことが明らかでないときは、これらの者は、同時に死亡したものと推定する。」という規定があります。この規定でも述べているように、実際に反論があり、その反論の方が正しいということになれば、覆ることもあるということです。


8.「善意」、「悪意」

日常用語で用いられるような性格や心理的な意味は全くありません。「善意」とは「事情を知らない」という意味で用いられ、「善意の第三者」のように使います。「悪意」とは、従って「事情を知っている」という意味です。

琴光喜解雇問題

朝青龍の傷害事件醜聞にかかわる引退劇といい、今回の琴光喜の問題といい、今年の角界は社労士的に興味深い問題を提供してくれるものだと思うのは小生だけでしょうか。我が国における正社員の解雇を非常に厳しく制限している状況からすると、まだ直感的な判断の段階ですが、琴光喜の請求が認められる可能性が高いのではないかと感じてしまいます。

相撲協会の就業規則に当たるものには、懲戒処分及び懲戒解雇について明確な規定があるのか調べていないのですが、大前提として「ある」と仮定します。そこで、解雇とは使用者と労働者との間の合意で成立している労働契約を使用者側からの一方的な意思表示で解約することであり、通常の退職とはその点が異なります。そのため、労働者を解雇するには、労働基準法や労働契約法により、解雇権の濫用について厳しい制約が課せられているのはご案内の通りです。特に懲戒解雇は、労働者にとって死刑宣告にも擬せられるほどに厳しいものなので、その実施には様々な条件が付きます。重要なのは、「就業規則処分の原則」及び「就業規則該当の原則」で、懲戒解雇処分という処分があることが就業規則に書かれていること、どういうことをしでかしたら懲戒解雇になるか就業規則に具体的に書かれていることが必要なのです。その上で、懲戒解雇に該当する行為と懲戒処分という結果に誰もが納得のいくような相当性がなければならないこと(行為と処分の均衡の原則)、また、日頃から問題行動について必要な注意がなされていたか、本人に弁明の機会が与えられたかなど(処分手続き厳守の原則)といったことも問題になってきます。

刑法犯罪を犯したり、有罪が確定したら懲戒解雇という規定は世間一般の就業規則によく見かける条文ですが、今回、一連の琴光喜の行為がはたして賭博罪で有罪になったのか、寡聞にして存じ上げません。角界はサラリーマンの世界ではないし、その特殊性が十分に考慮されなければならないということは理解できます。しかし、そもそもそのことをあまり強調できない時代の流れのために今回のような問題が顕在化してきたわけですから、普遍的な労使関係の原則論が展開されることになるのではないかとも考えられるのです。

===産経ニュースから引用===

大相撲の野球賭博問題で日本相撲協会から解雇された元琴光喜関(34)=元大関、本名・田宮啓司=は13日、解雇は不当として、同協会に対し解雇の撤回を求める仮処分を東京地裁に申請した。元琴光喜関の代理人が明らかにした。野球賭博問題をめぐっては、同協会は7月4日の臨時理事会で、関与の度合いが濃厚で悪質として、元琴光喜関や大嶽親方(42)=元関脇、貴闘力、本名・鎌苅忠茂=の解雇を決めていた。解雇は除名に次ぐ重い処分で、現役の大関が解雇されたのは初めてだった。

===引用終わり===

「又は」及び「若しくは」

法律及び契約書などの法律文書で、用語を厳格に使い分けるという話です。

1.条、項、号

法律文書は、「条」、「項」、「号」の段階構造で書き分けられます。一番大きな項目は「条」であり、第1条、第2条・・・と続いていきます。
2番目に中程度の項目として、条の中に「項」が並びます。項は条文が長くなったときなどにそのその条文の内容をさらに箇条書きににして説明するためのものです。項も第1項、第2項・・・と続いていくはずですが、第1項だけは、数字をふらないことがよくあります。これは、単に省略しているだけですが、民法、労働基準法など法律はこの方式を採っています。契約書などでは、「第1項」又は「1」でも全く問題ありません(全体で統一されている方が良いことは言うまでもありません)。
この条又は項の中で、同様の内容をさらに箇条書きで列挙して説明するものが「号」です。項と違い号の場合は、1号を省略しないのが一般的です。


2.「及び」、「並びに」

「及び」、「並びに」は、どちらも並列的接続詞で、英語の「AND」に当たります。「および」、「ならびに」と平仮名で書いても同じ意味です。

まず、結合される語が同じ種類又は同じ水準のものの場合「及び」を用います。

(例1)
 「労働基準法」及び「労働契約法」


同じ種類の語を2以上並べるときは、「、」で結合して、最後に「及び」です。

(例2)
 「労働基準法」、「労働契約法」及び「労働安全衛生法」


結合される語の種類が違っていたり、別の水準のものの結合には、「並びに」を用います。

(例3)
 「労働基準法」及び「労働契約法」並びに「国民年金法」


(例4)
 「労働基準法」、「労働契約法」及び「労働安全衛生法」並びに「国民年金法」及び「厚生年金保険法」

前のかたまりが労働法関係の法律、後ろのかたまりが社会保険関係の法律というわけです。

結合される語が3段階以上になる場合には、一番小さな結合に「及び」を使い、それ以上には「並びに」を使います。

(例5)
 「労働基準法」、「労働契約法」及び「労働安全衛生法」並びに「国民年金法」及び「厚生年金保険法」並びに「就業規則」



3.「又は」、「若しくは」

「又は」、「若しくは」は、どちらも選択的接続詞として使われ、英語の「OR」に当たります。「または」、「もしくは」と平仮名で書いても意味は同じです。

まず、結合される語が同じ種類又は同じ水準のものの場合「又は」を使います。

(例6)
 「労働基準法」又は「労働契約法」


同じ種類の語を2以上並べるときは、「、」で結合して、最後に「又は」です。

(例7)
 「労働基準法」、「労働契約法」又は「労働安全衛生法」


結合される語の種類が違っていたり、別の水準のものの結合の場合には、小さな選択的接続詞に「若しくは」を用います。大きな選択的接続詞に「又は」を用います。前述の「及び」、「並びに」と平仄を一にしない感じがするので、間違えやすいところです。

(例8)
 「労働基準法」若しくは「労働契約法」又は「国民年金法」


(例9)
 「労働基準法」、「労働契約法」若しくは「労働安全衛生法」又は「国民年金法」若しくは「厚生年金保険法」


結合される語が3段階以上になる場合には、一番大きな選択に「又は」を使い、それ以下には「若しくは」を使います。

(例10)
 「労働基準法」、「労働契約法」若しくは「労働安全衛生法」若しくは「国民年金法」若しくは「厚生年金保険法」又は「就業規則」